【エルサレム森田貴裕】レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラは27日、声明を出し、イスラエル北部ガリラヤ地域にあるイスラエル軍基地に向け数十発のロケット弾を発射したと明らかにした。イスラエル軍によるレバノン南部への攻撃の報復だとしており、双方による攻撃の応酬が激化している。
イスラエル軍によれば、レバノンから約35発のロケット弾が発射されたが、軍の防空システムがそのほとんどを迎撃した。負傷者は出なかったという。軍はまた、27日のレバノン南部のヒズボラ拠点への攻撃により、戦闘員3人を殺害したと発表した。
米国はイスラエルに対し新たな戦争の回避を求めている。だが米政治専門ニュースサイト「ポリティコ」は27日、米当局者の話として、パレスチナ自治区ガザで戦闘を続けるイスラエルとイスラム組織ハマスが停戦に合意しなければ、今後数週間でイスラエルとヒズボラが本格的な戦闘に突入する可能性があると報じた。
イスラエルは、国境沿いのヒズボラの存在を容認できないとして、外交的解決に至らなければ軍事行動を取ると警告している。欧州諸国は、自国民にレバノンから退避するよう勧告。カナダは同国から数千人を避難させる準備を進めている。