【エルサレム森田貴裕】パレスチナ自治区ガザで続くイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘の休止や人質の解放を巡り、ハマスは14日、声明を出し、仲介国のカタールなどに新たな休戦案を提示したと発表した。
これに対しイスラエル首相府は14日夜、テロ組織が「非現実的な要求」を続けていると非難した。15日に戦時内閣と安全保障内閣で同案を協議するという。
イスラエルのメディアによると、ハマスの新たな提案は第1段階としてパレスチナ人の囚人700から1000人の釈放と引き換えに、イスラエル人の女性や子供、高齢者、病人の人質を解放する。人質と囚人の最初の交換が実施された後、恒久的停戦の日程について合意するとしている。
イスラエル軍のガザ地区からの撤収期限については第1段階終了後に合意する。 第2段階で双方が拘束する囚人や人質の全員を解放するという。
間接交渉では、6週間の戦闘休止で協議が続いていたが、ハマス壊滅を目指すイスラエルは恒久的停戦や軍の完全撤収には反対の立場で、双方の主張の隔たりは大きく、交渉の行方は依然不透明だ。
報道によると、カタールとエジプトは、首都ドーハを拠点とするハマス政治指導部の追放やハマスの銀行口座の凍結もほのめかして、ハマスに対し交渉妥結に応じるよう圧力をかけているという。