【エルサレム森田貴裕】パレスチナ自治区ガザで続くイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘の休止や人質解放を巡りエジプトで行われた間接交渉は7日、進展がないまま終了し、ハマス代表団はいったんカイロを離れた。イスラエルのメディアが同日、報じた。
カイロで今月3日から米国や仲介国のカタール、エジプトの代表団が、10日ごろ始まるイスラム教のラマダン(断食月)までに戦闘休止の合意に到達することを目指し、ハマス側と協議を続けていた。
イスラエルは、ハマスに対し人質の生存者名簿の提出を要求。ハマスが応じないため交渉への代表団の派遣を見送った。一方のハマスは、恒久的停戦やイスラエル軍のガザ地区からの完全撤収、避難民のガザ地区北部への帰還などを改めて要求。双方の間の溝は埋まらず、協議は平行線をたどった。
中東のメディアによると、ガザ地区での戦闘休止に向けた間接交渉は10日に再開する見通し。ただ、イスラエルが代表団を派遣して交渉に参加するかどうかは不明だ。
イスラエルのネタニヤフ首相は7日、イスラエル軍士官学校の卒業式での演説で、国際的な圧力が高まる中でもハマスに対する軍事作戦を継続すると宣言。「イスラエル軍は、ハマスの最後の拠点である南部ラファを含むガザ地区全域で作戦を展開するだろう」と表明した。
イスラエル軍は、ガザ地区最南部ラファでの地上作戦の準備を進めており、国際社会からは約150万人の避難民らが集まるラファへの攻撃を控えるよう求める声が高まっている。