
【エルサレム森田貴裕】イスラム組織ハマスの壊滅を目指すイスラエルのガラント国防相は5日、記者会見で、パレスチナ自治区ガザでの軍事作戦の進展状況について、24個とされるハマス大隊のうち「18大隊を解体した」と述べ、今後はエジプトとの境界にある南部ラファなどで本格的な地上作戦を展開すると表明した。
ガラント氏は、イスラエル軍が攻勢を強めているガザ地区南部の最大都市ハンユニスでの地上作戦の目標は間もなく達成すると強調し、ハマスは「もはや軍事組織として機能していない」との見方を示した。今後、軍がまだ地上作戦を行っていない南部ラファや中部の難民キャンプへ地上部隊を進めると表明した。また、ハマスのガザ地区トップのシンワル氏が最近まで潜伏していたとする隠れ家を発見し、ハマスの計画に関する重要資料も見つかったと明らかにした。シンワル氏らハマス指導部は逃亡中とみられ、軍が引き続き行方を追っている。
イスラエル軍は6日、ガザ地区での作戦で過去24時間で多数のハマス戦闘員を殺害したと発表した。軍はまた、昨年10月のイスラエル襲撃に関与した多数のテロリストを含むテロ容疑者約80人を拘束した。軍はガザ地区南部を重点に中部でも攻勢を強める一方、ハマスの拠点を制圧した北部にまだ数百人のハマス戦闘員が残っているとみて、ガザ市などでも攻撃を続けている。
ガザ保健省は6日、交戦が始まった昨年10月7日以降、ガザ地区での死者数は2万7585人に上ったと発表した。