
交戦開始から100日経過
【エルサレム森田貴裕】イスラム組織ハマスとイスラエル軍との交戦は14日、開始から100日が経過した。イスラエル軍地上部隊はパレスチナ自治区ガザの中部や南部で攻勢を強めている。
イスラエル軍は14日、ガザ地区での軍事作戦開始以来、これまでにハマスの戦闘員ら9000人以上を殺害したと発表した。軍によると、これまでにガザ地区にあるハマスの軍事施設などを標的に計約3万カ所を攻撃し、ハマスの上級司令官2人を含む司令官21人を殺害した。一方、ガザ地区からイスラエル領内に約9000発のロケット弾が撃ち込まれた。
ガザ保健省は15日の声明で、過去24時間で132人が死亡したと発表。交戦が始まった10月7日以降、ガザ地区での死者数は2万4100人に上った。
イスラエル側は、10月下旬の地上作戦開始以降、これまでに兵士188人が戦死した。ガザ地区には人質130人以上が今も拘束されている。
イスラエルのネタニヤフ首相は14日、閣議で「戦いは今後何カ月も続く」と述べ、ハマスの壊滅と人質全員の帰還を目指し、ガザ地区での軍事作戦を継続すると強調した。
イスラエル軍は15日、ガザ地区南部の最大都市ハンユニスでの地上部隊と空軍による大規模な作戦で、市街地にあるハマスの作戦本部や武器庫、武器輸送トラックなどを襲撃し、多数の戦闘員を殺害したと発表。また、ほぼ制圧したとするガザ地区北部で多くの戦闘員を発見し、空爆で5人を殺害したという。
一方、イスラエル北部国境沿いでは、局地的な交戦が続いている。イスラエル軍によると、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラが14日、イスラエル北部に向けて対戦車ミサイルを発射し、イスラエル人2人が死亡した。イスラエル軍は報復として、レバノン南部にあるヒズボラの軍事拠点を標的に空爆などを行った。