
【エルサレム森田貴裕】イスラエルのガラント国防相は4日、パレスチナ自治区ガザでの戦闘に関して、第3段階となる次の作戦計画に移行すると発表した。戦闘終結後のガザ統治については、ハマスの排除を明言した。
ガラント氏によると、ガザ地区北部では急襲や地下トンネルの破壊、特殊作戦などに的を絞った新たな作戦に移行する。一方、南部ではイスラム組織ハマス指導部の追跡を継続し、人質の奪還に向けてさらに攻勢を強める方針。
また、ハマスとの戦闘終結後のガザ地区の統治については、イスラエルの民間人が駐留することはないとした上で、「ハマスによる支配を許さず、イスラエル軍がガザ地区での行動の自由を維持する」と強調。「ガザ地区の住民はパレスチナ人であり、イスラエルに敵対しないことを条件に、パレスチナの組織が責任を負うことになる」と語った。
ガラント氏の構想では、欧米やアラブ諸国が派遣する多国籍軍が駐留し、戦後のガザ地区の再建や復興を支援する。イスラエルは多国籍軍への情報提供のほか、ガザ地区へ武器が密輸されないよう搬入物資の検査を行うという。
ガザ地区南部や中部で攻勢を強めているイスラエル軍は5日、過去1日でガザ地区にあるハマスの軍事インフラや戦闘員など100カ所以上を標的に空爆や砲撃を実施したと発表した。
軍報道官によると、ガザ地区南部ハンユニスでは、ハマス戦闘員が潜んでいる建物や地下トンネルを特定し空爆を行った。中部では地上部隊がハマスの軍事基地を襲撃し破壊した。基地の地下には長距離ロケット弾などの製造工場があり、地下トンネル網につながっていたという。軍は、ハマスの基地やトンネル網を破壊する映像も公開した。
イスラエル軍はまた、ガザ地区最大規模のシファ病院敷地内の地下にある長さ250㍍以上のトンネルを破壊した。軍は昨年11月に病院の地下にハマスの司令部があると主張して地上部隊が突入し、地下トンネルの捜索を続けていた。