【エルサレム森田貴裕】イスラエルとイスラム組織ハマスは27日、パレスチナ自治区ガザでの戦闘停止を2日間延長することで合意した。仲介役のカタールが同日、発表した。24日に発効した4日間の戦闘停止は、28日午前7時(日本時間同日午後2時)の期限目前だった。
ハマスは戦闘停止4日目の27日も、イスラエル南部からガザ地区に連れ去った人質のうちイスラエル人11人を解放した。イスラエル側は、交換条件で、収監しているパレスチナ人の女性や未成年者33人を釈放した。
この4日間で、ハマスはイスラエル人50人と外国籍19人の人質計69人を解放した。イスラエル側はパレスチナ人の囚人計150人を釈放した。
ハマスは27日、声明で「前回と同じ条件で戦闘停止を継続することで合意した」と発表した。
これまでに解放されたのはいずれも女性と未成年者。中東の衛星テレビ局アルジャジーラによると、女性と未成年者に続いて、男性民間人が解放される見込みという。イスラエル兵の人質の解放については、今後、交渉が行われる。
イスラエルとハマスの合意では、追加で人質10人の解放につき戦闘停止が1日延長され、それに応じて3倍の囚人が釈放されるとしている。
米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は27日、記者会見で、戦闘停止の延長により「ハマス側は今後2日間でさらに20人の女性や子供を解放することを約束した」と述べた。
バイデン米大統領は27日、声明で、戦闘停止の期間延長を歓迎し、「ガザ地区への人道支援も大幅に増えている」と強調。パレスチナ人の平和と未来を築くための取り組みを継続する意向を示した。