
【エルサレム森田貴裕】イスラエル軍は6日、イスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区への地上作戦を継続し、「包囲している中心都市ガザ市の深部へ地上部隊が前進し、圧力を強めている」と発表した。
イスラエル軍報道官は6日、夜間の空爆や地上作戦でハマスの司令官や指揮官ら多数が死亡したことで、「ハマスの反撃能力を著しく減退させている」と述べた。報道官によると、工兵部隊が学校や病院の近くにあるハマスの地下トンネルを破壊しているという。
また、地上部隊が青少年会館やモスク(イスラム礼拝所)内で数十カ所のロケット発射拠点を発見。地下倉庫からは50発以上のロケット弾が見つかったという。
イスラエルは、ガザ地区北部住民を南部へ安全に避難させるため避難路を設置している。イスラエル軍は7日も、北部の住民が避難するための避難路を数時間開放し、南部へ退避するよう繰り返し呼び掛けた。同軍によると同日、北部住民数千人が避難路を通って南部へ移動したもよう。
イスラエルのネタニヤフ首相は6日、バイデン米大統領と電話会談し、ハマスとイスラエルの戦争における人道的な戦闘一時停止の可能性について話し合ったと述べた。両首脳は、話し合いを続けることで一致した。米ホワイトハウスは、戦闘の一時停止について「ガザ市民に戦闘地域から、より安全な場所に退避する機会を与え、人道支援を必要とする市民に確実に届け、人質解放を可能にする」と説明した。
ネタニヤフ氏は6日夜、米ABCニュースのインタビューで、ハマスとの戦争が終結すれば、イスラエルが「無期限」にわたって「安全保障上の責任を負うことになるだろう」と主張した。人道的な戦闘一時停止については「ここで1時間、あそこで1時間といった戦闘停止は以前もあった。人道物資の搬入や、人質の退避を可能にするため、状況を確認する」と語った。