
【エルサレム森田貴裕】イスラエル軍は10月31日、パレスチナ自治区ガザ地区北部にあるジャバリア難民キャンプを空爆し、10月7日のイスラエルへの奇襲攻撃を指揮したイスラム組織ハマスの司令官1人を含む戦闘員約50人が死亡したと発表した。パレスチナ保健当局によると、少なくとも50人が死亡し、150人が負傷した。1日までの双方の死者は1万人を超えた。
イスラエル軍によると、地上部隊が難民キャンプ内の医療センター近くにあるビルに潜伏する多数のハマス戦闘員を発見し、空軍機が空爆を実施。ロケット弾発射拠点や地下にあるハマスの軍事インフラも破壊したという。
国連などによると、ジャバリアはガザ地区にある八つの難民キャンプの中では最大で、交戦前、11万6000人以上のパレスチナ難民が生活していた。
交戦開始以来、ガザ地区でイスラエル軍が空爆したハマスの標的は1万1000カ所以上に上る。イスラエル軍は、ガザ地区北部の住民に対し、南部へ避難するよう引き続き呼び掛けている。
イスラエル軍は1日、ガザ地区北部でのハマスとの激しい戦闘でイスラエル兵10人が死亡したと発表した。ガラント国防相は、「戦争の代償は大きいが、イスラエルは戦いに勝つ」と述べた。ハマスとの交戦開始以来、ガザ地区での戦闘で死亡したイスラエル兵は計12人となった。
ネタニヤフ首相は哀悼の声明を発表し、「われわれは困難な戦争の中にいる。 長い戦争になるだろう。 重要な成果を挙げたと同時に痛ましい損失も経験した」と語った。また、ネタニヤフ氏は「勝利まで続ける」と、ハマス壊滅への決意を改めて表明した。
ガザ保健当局によると、1日までのガザ地区での死者数は8800人以上。イスラエル側は1400人以上で、双方の犠牲者は計1万人を超えた。