トップ国際中東10.7 ハマス襲撃の爪痕 追悼のキャンドル 、鳴り響く空襲サイレン

10.7 ハマス襲撃の爪痕 追悼のキャンドル 、鳴り響く空襲サイレン

国防省の塀に貼られた人質となった人々のポスター

イスラエルがイスラム組織ハマスによる襲撃を受けて2週間余り。軍によるパレスチナ自治区ガザへの地上侵攻が間近とみられる一方で、市民によって追悼のキャンドルが灯され、ハマスに連れ去られた人々のポスターが各地に貼られるなど、重い空気が漂っている。ガザからのロケット弾攻撃は依然、続き、そのたびに空襲サイレンが鳴り響く。

襲撃によって、外国人を含む一般人、兵士ら1400人の命が奪われ、女性や子供、老人を含む220人以上が人質としてガザに連れ去られた。

中部テルアビブでは、人質となった人々の写真が、国防省の塀、美術館、大学など至る所に貼られ、ショッピングモールのデジタル広告にも掲示されている。国防省の向かい側では、人質の家族らが集まり、イスラエル軍のガザ侵攻を止めるよう求めるデモを行っていた

市内のディゼンゴフ広場の噴水の周りには、追悼のキャンドル、花や写真、ぬいぐるみなどが置かれ、入れ替わり立ち替わり人々が訪れていた。その間にもロケット弾飛来を伝える空襲サイレンが鳴る。記者も、人々と一緒に周囲の建物の中に逃げ込んだ。

ディゼンゴフ広場の噴水に置かれた、襲撃で死亡した兵士の写真

ショッピングモール「ディゼンゴフセンター」には、南部のガザ周辺地域から避難してきた人々への支援物資のコーナーが設置されている。子連れの家族が床にピクニックのようにマットを敷いて遊んでいた。学校も幼稚園も休みだが、子供たちは屋外で遊ぶこともできない。そのためショッピングモールには、多くの家族連れが訪れていた。また、ミュージシャンがボランティアで子供たちのためのコンサートを開いていた。

襲撃から間もない9日には政府から最低3日分の食料と水を確保するよう通達があった。それから数日は、スーパーの商品が買い占められて棚が空っぽになり、残り少ない野菜や果物などの価格は2倍にもなっていたが、現在は平常に戻りつつある。

急な予備役兵の招集で、軍備を含むさまざまな物資が不足していたものの、市民ボランティアのサポートもあり、物資の搬入、分配の態勢は整いつつある。

人質の帰還を求め、メッセージを録画する家族ら

テレビのニュース番組には、ハマスの襲撃を生き延びた人々や、家族を失ったり、家族を人質として連れていかれた人々の体験談が次々に放映されている。感情をどこかに置き忘れてきたかのように淡々と語っていた。

10月7日以来、イスラエル国民の時間は止まってしまったかのようだ。深い悲しみと苦痛の沼から抜け出せずにいる。
(文と写真、森田陽子)

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