【エルサレム森田貴裕】パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスは23日、エジプトとカタールの仲介で、ガザ地区で拘束していた人質2人を解放した。報道によれば、2人は85歳と79歳のイスラエル人女性で、ガザ地区南部のラファ検問所からエジプトに入り、イスラエル軍のヘリコプターでテルアビブの病院に搬送された。医療関係者によると、2人の健康状態は良好という。
ハマスが解放した人質は20日の米国籍の2人と合わせて計4人となった。イスラエル軍によると、人質は220人以上いるという。
イスラエル軍は24日、ガザ地区全域で過去24時間にハマスの関連施設など400カ所以上を標的に攻撃し、ハマスの副司令官3人と戦闘員多数が死亡したと発表した。同軍によると、ハマスの作戦本部や地下トンネル、ロケット弾発射拠点などに空爆を行い、ハマスが拠点として使用していたモスク(イスラム礼拝所)も攻撃したという。
イスラエル軍報道官は24日、「戦争の次の段階に向けて準備はできている。政治的指示が出れば、数週間にわたり戦闘が続くことを予想している」と語った。
同報道官はまた、レバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラとの交戦で、「ヒズボラの軍事施設や監視所などに空爆を行った」と述べた。ヒズボラは連日、イスラエル北部に向けて対戦車誘導ミサイルやロケット弾を発射している。
ガザ保健当局によると、ガザ地区ではイスラエル軍による空爆で、これまでに5500人以上が死亡し、約1万7000人が負傷した。イスラエル、パレスチナ双方の犠牲者数は6900人を超えた。イスラエル軍は、ガザ地区のハマスへの空爆を強化するとしており、パレスチナ側の犠牲者が今後も増え続ける恐れがある。





