トップ国際中東イスラエル軍 大規模地上侵攻を準備 住民に改めて退避勧告 「数日以内」に開始か

イスラエル軍 大規模地上侵攻を準備 住民に改めて退避勧告 「数日以内」に開始か

14日、パレスチナ自治区ガザとの境界付近に集結した イスラエル兵(EPA時事)

【エルサレム森田貴裕】パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエル軍の交戦は15日、9日目に入った。イスラエル軍はガザ地区への地上侵攻の準備を整えている。ガザ地区に近いイスラエル南部地域の住民も避難を開始した。

イスラエル南部の都市スデロットでは15日、イスラエル軍のガザ地上侵攻に先立って、住民約7000世帯の避難が始まった。最南端の都市エイラートやエルサレムのホテルなどへ移送される。ハマス襲撃があった地域の住民は既に避難している。

米紙ニューヨーク・タイムズが15日にイスラエル軍関係者らの話として報じたところによると、「ガザ市を占領する」という明確な目標の下で、数万の兵力による地上侵攻が「数日以内に」開始されるという。これは2006年の第2次レバノン戦争以来最大規模となる。

イスラエル軍は15日、ガザ地区北部に避難路を設置し、北部に残っている住民に対して直ちに南部へ退避するよう改めて呼び掛けた。同軍は午後1時までは避難路沿いで軍事作戦は行わないと述べた。同軍は13日、ガザ地区北部で数日以内に大規模な軍事作戦を展開するとして、住民約110万人に24時間以内に南部へ退避するよう通告。14日午後4時まで期限を延長していた。一方のハマスは「イスラエルのプロパガンダだ」として、ガザ市民に対し退避せずその場にとどまるよう求めた。

また、同軍は14日夜から15日朝にかけてガザ地区のハマス司令部、ロケット弾発射台、対戦車ミサイルの発射基地、イスラム聖戦司令本部など100カ所以上を標的に空爆を実施したと発表。この空爆でイスラエルへの奇襲攻撃を指揮したハマスの司令官や軍事部門幹部が死亡したと述べた。

ハマスは15日も、イスラエル南部や中部に向けて多数のロケット弾を発射した。一方、レバノンからはイスラエル北部の国境に近い町シトゥラやイスラエル軍基地に向けて対戦車誘導ミサイルが発射され、民間人1人が死亡、3人が負傷した。イスラム教シーア派組織ヒズボラが犯行声明を出した。イスラエル軍は、民間人にレバノン国境から4㌔以内には立ち入らないよう呼び掛けた。シリアからのロケット弾発射も断続的に続いている。

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