
【エルサレム森田貴裕】パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエル軍との大規模な交戦は11日、5日目に突入した。ハマスはイスラエル南部に向けてロケット弾を発射し続け、イスラエル軍はハマスへの激しい報復攻撃を繰り返しており、双方の死者は計2200人を超えた。一方、イスラエル北部ではレバノン南部からの砲撃も続いている。
イスラエル軍報道官は11日、ガザ地区からイスラエルに向けてこれまでに5000発以上のロケット弾が発射されたと発表。ハマスによる攻撃で、これまでにイスラエル人少なくとも1200人が死亡したと述べた。イスラエル保健省によれば3000人以上が負傷した。一方、パレスチナ側では、ガザ保健省によると、これまでに1055人が死亡、5000人以上が負傷した。
イスラエル軍によると、同軍の空軍機が24時間でガザ地区の450カ所以上を空爆した。ハマスの関連施設や武装組織「イスラム聖戦」の軍事施設を標的とした空爆を実施。地下トンネルやハマスの作戦本部など軍事施設を破壊した。同軍は10日、ガザ地区への9日夜の空爆でハマス幹部2人が死亡したと発表した。
イスラエルのガラント国防相は10日、「われわれは今後、全面攻撃に移行する」と述べ、ガザ地区への地上侵攻開始を示唆した。
一方、レバノン南部から11日、イスラエル北部に展開するイスラエル軍部隊に向けて、対戦車ミサイルや迫撃砲弾が発射された。レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラが犯行声明を出した。イスラエル軍は、報復としてヒズボラの軍事監視所を空爆した。
10日には、レバノンからロケット弾15発が発射されたほか、シリアからの砲撃もあった。イスラエル軍はヒズボラの拠点などを標的に砲撃で応戦した。レバノンからの攻撃でこれまでにイスラエル兵3人が死亡した。