【エルサレム森田貴裕】アラブ連盟(21カ国・1機構)首脳会議が19日、サウジアラビア西部ジッダで開催された。アラブ連盟は、中東地域の問題解決にアラブ諸国の団結を求める「ジッダ宣言」を採択した。中東の衛星テレビ局アルアラビーヤが同日、報じた。
首脳会議では、パレスチナ問題、武力衝突が続くスーダンの情勢、イエメン、リビア、レバノンの情勢などが話し合われた。
サウジのファイサル外相は首脳会議後の記者会見で、「ジッダ宣言はアラブ諸国の団結を強化する」と述べた。ファイサル氏は、「パレスチナの大義」の重要性や、シリア危機の内戦終結に向けたアラブ諸国の取り組みを強調。4月15日以来、スーダンで戦闘を続ける正規軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」に対し、武力衝突に終止符を打つため対話による解決を呼び掛けた。また、文化、経済、教育、食料安全保障などさまざまな分野でアラブ諸国の団結を強化すると述べた。
首脳会議には、12年ぶりにアラブ連盟に復帰したシリアのアサド大統領が出席した。会議に先立って、サウジの事実上の最高権力者である首相のムハンマド皇太子と握手して肩を抱き合い挨拶を交わした。ムハンマド皇太子は演説で、「シリアのアラブ連盟復帰が危機の終結につながる」と述べた。