
【エルサレム森田貴裕】1日に投票が行われたイスラエル総選挙(定数120、全国1区の比例代表制)は、同日夜から開票が進められ、通常投票の開票率97%の段階で、復権を狙うネタニヤフ元首相率いる「リクード」を中心とする右派勢力が、議席の過半数を獲得する見通しとなった。
イスラエルのメディアによると、「リクード」が31議席を獲得し第1党となり、ラピド首相が率いる与党の中道「イェシュアティド」が24議席で続く。連立の枠組みでは右派や宗教の各政党から成る右派勢力が計65議席を獲得する可能性がある。
「反ネタニヤフ」で昨年6月に発足した右派、左派、アラブ系政党など8政党から成るラピド政権の与党は計50議席にとどまる見通しとなっている。与党の左派「メレツ」は得票率が低く、議席を獲得できるか際どいが、議席を獲得できても、ネタニヤフ右派陣営は少なくとも62議席を獲得するとみられている。
ネタニヤフ氏は2日早朝、エルサレムで行われた「リクード」の集会で、支持者に忍耐を求め「大きな勝利の直前にある」と述べた。
一方、与党の「イェシュアティド」のラピド氏は、支持者へ向けた演説で「何も決定されていない、最終結果を待つ」と語った。
兵士や外交官など約5万人分の封筒が開票されると、結果が変わる可能性もある。選挙の最終開票結果は9日までに発表される予定。