トップ国際中東・アフリカアメリカによるイラン攻撃は世界恐慌の分岐点

アメリカによるイラン攻撃は世界恐慌の分岐点

●トランプ大統領の最後通牒

イランは通常戦力ではアメリカに勝利できない国。だからイランも核兵器を保有してアメリカと対等になることを追求している。だがアメリカはイランが核兵器を保有するとアメリカと対等になることを拒む。

イランのブシェール原子力発電所 イランは10カ所のウラン濃縮施設を建設する計画を発表し、国際社会から激しい批判を浴び、核兵器開発への懸念が高まっている。(UPI)

アメリカのトランプ大統領は日本に核兵器保有を求めているが、これは日本がアメリカの友好国だから安心している証。だがトランプ大統領は日本を使いアメリカの代理として戦争させることを求めている。そんな状況でトランプ大統領はイランの核兵器保有を追求する核開発を危険視しており、イランが核兵器保有を放棄しない場合はイランを攻撃することを公表した。

●明確なイランへの最後通牒

トランプ大統領は25日にタイム誌のインタビューで、イラン核開発問題で合意に至らなければ“先頭に立って”イランを攻撃すると述べた。これはアメリカ政府・国連を通さずにメディアを用いたイランへの最後通牒になった。

核合意不成立ならイラン攻撃、「私が先頭に立つ」 トランプ氏
https://www.afpbb.com/articles/-/3575091?cx_part=top_topstory&cx_position=2

国家間の外交では妥協案と最後通牒で交渉と政治の破断が行われる。妥協は交渉する相手国に餌を与えて自国が譲歩することで合意が行われ、これはお互いに交渉材料の等価交換で成立する。

戦争に至るのは交渉する相手国が譲歩するなら自国が相手国に餌を与えるが、相手国が譲歩しない時は政治の破断に至る。政治の破断は外交交渉が不可能であり戦争で解決することを意味する。政治の延長に戦争があるから戦争は政治の手段の一つ。

・妥協案 :相手国に餌を与えて自国が譲歩する(受動的・等価交換)
・最後通牒:相手国が譲歩するならば自国が餌を与える(能動的・押し売り)

トランプ大統領はイランに対して譲歩しなければ攻撃を行うと最後通牒を用いて脅した。こうなるとイランは選択肢が限定され交渉は二者択一になる。これはトランプ大統領のビジネススタイルだが、外交では“平和か?戦争か?”で相手国を脅すから嫌われる手法。

●前例のあるアメリカ

では仮にトランプ大統領がイランを先制攻撃したら世界は肯定するのか? その答えは肯定する。何故なら前例としてイラク戦争(2003)がある。イラクのフセイン大統領はWMD(大量破壊兵器)の保有意志を公言する。それに対してアメリカは国連決議を間接的な宣戦布告としイラク戦争を開始した。

■先制攻撃の区分
・攻勢攻撃(Offensive Attack):国際社会で否定される
・敵国の国防線を踏み破って奇襲攻撃を仕掛ける。

・防勢攻撃(Defensive Attack):国際社会で肯定される
・自国の国防線の中で脅威国が戦争準備した段階で先制攻撃する。

国際社会では先制攻撃を国際社会で否定する攻勢攻撃と国際社会で肯定する防勢攻撃に分けている。国際社会で否定する攻勢攻撃は戦前の日本が行ったパール・ハーバーへの開戦奇襲。最近では2022年にロシアがウクライナに侵攻したことが否定される先制攻撃。これらは今の平和を軍隊を用いて否定したから悪にされる。

だが国際社会では仮想敵国が自国に侵攻してから反撃することは国防として失敗。このため仮想敵国が国防線で戦争準備している時に先制攻撃することは防勢攻撃として正しい先制攻撃だとしている。

この基準を用いると、イラクのフセイン大統領がWMDの保有意志を公言したことは戦争準備と見なされた。実際のフセイン大統領はWMDの存在を匂わせることで欧米を譲歩させることが目的だった。

だがフセイン大統領の計画は愚策でありアメリカに先制攻撃を実行させる条件を与えてしまう。開戦してイラク全土を調査したがWMDはなかったが、これはアメリカが悪いのではなく匂わせたフセイン大統領が悪い。

今のイランはアメリカと対等になりたいから核兵器を保有したい。そのための核開発を長年続けていることは明らか。そんな時にトランプ大統領がイランに核開発問題で合意しなければ攻撃すると公言した。イラク戦争では国連決議を間接的な宣戦布告にしたが、トランプ大統領はタイム誌を用いて最後通牒を行うと同時に間接的な宣戦布告に変えた。

こうなるとイランが譲歩しなければアメリカが先制攻撃を行い戦争に至る。仮にイランが自国防衛のために周辺のアメリカ軍基地を先制攻撃しても戦争に至る。両国の先制攻撃は防勢攻撃の条件を満たすが、イランが先に先制攻撃を行うとトランプ大統領は戦争の正当性を手に入れるから世界はトランプ大統領を支持することになる。

●世界恐慌に至る

このような未来が明確に提示できるほどイランは選択肢がない状態。イランが譲歩しなければイラン全土が破壊され再建が難しい。だがこれで終わらず世界恐慌に至ることは間違いない。何故ならイラン付近に海上交通路が存在し遮断されたら世界経済を混乱させる。

今はトランプ大統領が行った関税で混乱している時にアメリカとイランが戦争を始めれば1年以内で終わっても海上交通路は遮断される。こうなるとロシアがウクライナに侵攻した以上の経済混乱が発生する。何故ならウクライナは海上交通路から離れた位置だから欧米はロシアを弱体化させることしか考えない。

だがイランとなれば世界経済に打撃を与えるから無視しない。ならば公式には世界はアメリカのトランプ大統領を支持するが世界恐慌に備えてブロック経済で対応するはずだ。何故なら今の部品供給網から可能な限り外れて自国第一で守りに入るからだ。

日本であれば台湾・オーストラリア・カナダを中心としたブロック経済で対応すべきだ。さらに安い部品供給網を求めるならインドネシア・タイ・ベトナム・フィリピンを加えて世界恐慌に対応すべきだ。

(この記事はオンライン版の寄稿であり、必ずしも本紙の論調と同じとは限りません)

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