【シカゴ(米イリノイ州)山崎洋介】米民主党大会初日の19日、親パレスチナ系団体などが、会場近くで大規模なデモ行進を行い、同党の大統領候補のハリス副大統領らにイスラエル支援をやめるよう訴えた。
民主党大会初日 ハリス氏支持で結束 バイデン米大統領呼び掛け
親パレスチナ系団体は、パレスチナ自治区カザで多くの民間人が死亡しているとして、イスラエルを支援するバイデン政権を非難している。
デモ参加者らは「ジェノサイド(大量虐殺)・ジョー(・バイデン大統領)」「キラー(殺人者)・カマラ(・ハリス氏)」などとシュプレヒコールを上げ、イスラエルへの武器支援停止を求めた。
参加したシカゴ市内に住むエルマさん(25)は本紙の取材に、ハリス氏について「もっとイスラエルを非難してほしい。少なくとも大統領を目指すなら、対イスラエル政策について具体的に説明するべきだ」と不満を述べた。
デモは、自転車に乗った警察官が道路両脇に配置され、上空には監視用ヘリコプターが飛ぶなど厳重な警備体制の中、実施された。数人のデモ参加者が党大会会場の侵入防止柵を一時突破する事態が発生したが、大会の進行に大きな影響はなかった。
民主党は綱領で、米国が「(イスラム組織)ハマスとの戦いでイスラエルを強く支持する」と明記。ただ同党には、親パレスチナの立場を取る議員もおり、一枚岩ではない。こうした中、親パレスチナ系団体はハリス氏らに対する圧力を強めている。
デモには、主催者発表で2万人が参加した。党大会最終日の22日にも同様のデモを行うとしている。