イスラエルが休戦案拒否 米、ラファ侵攻なら武器支援せず

イ ス ラ エ ル の ネ タ ニ ヤ フ 首 相 = 6 日 、 エ ル サ レ ム ( E P A 時 事 )

【エルサレム森田貴裕】イスラエルのネタニヤフ首相は8日、同国を訪れたバーンズ米中央情報局(CIA)長官との会談で、イスラム組織ハマスが提示したパレスチナ自治区ガザでの休戦案を拒否すると伝えた。イスラエルのメディアが報じた。

報道によると、会談にはイスラエルのガラント国防相や対外情報機関モサドのバルネア長官、国内治安機関シャバク(シンベト)のバー長官が同席。イスラエル側は、ハマスの提案は「すべてにおいてレッドライン(譲れない一線)を越えており、受け入れられない」と反発した。また、「人質解放交渉を巡りハマスとの溝は極めて大きく、ガザ地区最南部ラファでの軍事作戦継続に集中する必要がある」として、引き続きハマスに軍事的圧力をかける構えを示した。

一方、ハマスは同日夜、イスラエルにこれ以上譲歩するつもりはないと表明した。

ガザ地区での戦闘休止と人質解放に向けた間接交渉は、仲介国エジプトの首都カイロで続けられているものの、恒久的停戦を要求するハマスとこれを拒否するイスラエルとの隔たりは大きく、交渉の行方は依然不透明な状況だ。

イスラエル軍は8日も、ガザ地区最南部ラファ東部で限定的な地上作戦を継続。軍によれば、ハマスの軍事施設や地下トンネルなどを発見し、的を絞った攻撃でハマス戦闘員多数を殺害。ガザ地区全域で、1日でハマスの標的100カ所を空爆したという。

バイデン米大統領は8日、CNNテレビのインタビューで、ラファへの本格的な侵攻が実施されれば「武器を供与しない」と明言した。オースティン国防長官も同日、大型爆弾など一部弾薬のイスラエルへの輸出を「一時的に停止している」ことを明らかにしていた。

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