【エルサレム森田貴裕】イスラエルの戦時内閣は15日の閣議で、同国本土に大規模攻撃を行ったイランへの対抗措置について協議し、「明確かつ強力に」反撃することを決定した。イスラエルのメディアが同日、報じた。16日も協議を行う予定で、米国と調整するとしている。
報道によると、イスラエルの決定は「自国への大規模攻撃を無反応で許すわけにはいかない」というメッセージをイランに送ることを意図するもので、イランに苦痛を与えることを目的とした幾つかの軍事的対応が議論されたという。イスラエルは、反撃による中東地域への紛争拡大は望んでいないとしている。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は15日、イランの石油インフラなどの主要な国有施設への攻撃や、サイバー攻撃などが検討されていると伝えた。
一方、イランのライシ大統領は16日、「イランの国益に反するいかなる行動に対しても、必ず厳しく報復することを断言する」と述べた。イラン学生通信が伝えた。
イランは、今月1日の在シリア・イラン大使館への空爆をイスラエル軍による攻撃と断定し、イスラエルへの報復を宣言。13日夜にイスラエル本土への前例のない大規模攻撃を開始し、300機以上の攻撃用無人機とミサイルを発射した。イランは、「国連憲章に基づく正当な自衛の行使だ」と主張している。
米ニュースサイト「アクシオス」は15日、イスラエルのガラント国防相がオースティン米国防長官との電話会談で、イランに反撃する以外に「選択肢はない」と語ったと報じた。