イラン核施設攻撃の懸念 イスラエル、報復受けシナリオ

【ウィーン小川敏】イランによるイスラエルへの報復攻撃を受けて一つ懸念が出てきた。イスラエルがイランの核関連施設の攻撃に乗り出すのではないかということだ。

イランは核開発を継続し、核兵器製造用の濃縮ウラン製造を進めている。国際原子力機関(IAEA)とイラン間の核合意はほぼ失効している状況にあり、イランは近い将来、核兵器を製造し、世界で10番目の核兵器保有国になるのはもはや時間の問題とみられている。

イスラエルはイランの核開発を恐れており、イランの核兵器製造を黙認しないだろう。交渉でイランの核計画をストップできないことは明らかだ。そこで考えられるシナリオは、イラン中部ナタンツ、フォルドウなどの核濃縮ウラン施設やイスファハンの核施設を破壊することだ。イスラエルは2007年9月、シリア北東部の核関連施設(ダイール・アルゾル施設)を爆破したことがある。

イランがイスラエル本土に向けて軍事攻撃を行ったことから、イスラエル側は自衛権の行使という理由でイランの核関連施設に軍事攻撃ができる。イランの核開発を破壊できるチャンスだ。一方、イラン側はこれまで核兵器を製造する考えはないと世界に向かって表明してきただけに、核関連施設への攻撃の被害状況を公表しにくい。

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