イスラエル軍 ハマス最高指導者の息子殺害 休戦交渉へ影響を懸念

【エルサレム森田貴裕】イスラエル軍は10日、パレスチナ自治区ガザを空爆し、イスラム組織ハマスの最高指導者ハニヤ氏の息子3人を殺害したと発表した。軍は3人がハマスのテロ工作員だったとしている。

ハニヤ氏は中東の衛星テレビ局アルジャジーラに対し、「息子たちを標的にすることでハマスの態度を変えられると考えるなら、それは妄想だ」と強調。「われわれは交渉で妥協しない」と述べた。

アルジャジーラによると、イスラム教のラマダン(断食月)明けの祝祭「イード・アル・フィトル」を祝うため、家族と共に車でガザ地区北部を訪れていたところを無人機から発射されたミサイルが直撃したという。ハマスはハニヤ氏の孫4人も死亡したと発表した。

イスラエルのメディアは、同国のネタニヤフ首相やガラント国防相が、攻撃について事前に知らされていなかったと報じた。イスラエル当局者は、今回の殺害が休戦交渉の行方に影響する可能性があると懸念を語った。

エジプトのカイロで7日に再開した戦闘休止や人質解放を巡る間接交渉で、イスラエル側が提示した新たな休戦案は、ハマスが人質40人を解放し、イスラエルがパレスチナ人囚人最大900人を釈放するなどの内容。ハマスはこれを検討中だとしており、近く回答するとされる。

ハマスは、人質解放の条件として、恒久的停戦とガザ地区からのイスラエル軍の完全撤収を当初から要求している。ハマス壊滅を目指すイスラエルとの隔たりは大きく、交渉がまとまるかは依然不透明だ。

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