イスラエル、ガザ支援拡大へ検問所開放  米大統領 NGO職員死亡を非難

パレスチナ自治区ガザに設置された避難民向けテント =3月27日、南部ラファ(AFP時事)

【エルサレム森田貴裕】イスラエル首相府は5日未明、治安閣議で、パレスチナ自治区ガザの人道状況を改善するため、ガザ地区北部との境界にあるエレズ検問所を一時的に開放するなどの緊急措置を取ることを決定したと発表した。イスラエルのメディアが同日、報じた。同検問所の開放は、昨年10月のイスラム組織ハマスによる奇襲以来、初めて。米国の求めに応じた措置とみられる。

首相府は声明で、「支援拡大は人道危機を防ぐとともに、戦闘を続け戦争目的を達成するために必要だ」と述べた。声明によると、ガザ地区に人道支援物資を搬入するためエレズ検問所の再開に加えて、イスラエルのアシュドッド港を一時的に開放する。またケレム・シャローム検問所では隣国ヨルダンからの搬入量を増やすという。

米国家安全保障会議(NSC)報道官はイスラエルの緊急措置について、「今すぐ、完全かつ迅速に実施されなければならない」と強調した。

ガザ地区では1日、食料支援を行っていた米国拠点の国際NGO「ワールド・セントラル・キッチン(WCK)」の職員7人がイスラエル軍の空爆で死亡した。イスラエルは、軍による誤爆を認めている。

米ホワイトハウスが発表した声明によると、バイデン米大統領は4日、イスラエルのネタニヤフ首相との電話会談で、「国際NGO職員がイスラエル軍の攻撃で死亡したことは容認できない」と非難。「民間人の被害や人道的苦痛、人道支援従事者の安全に対処するため、具体的な措置を発表し、実施する必要がある」とした上で、対応次第ではガザ地区に関する米国の政策を変更すると警告した。

ガザ地区ではイスラエル軍とハマスの戦闘が続き、人道危機が深刻化している。南部のラファ検問所などから支援物資が搬入されているものの、北部の住民には物資が届かず、餓死者が出るなど食料不足が危機的状況に陥っている。

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