【エルサレム森田貴裕】パレスチナ自治区ガザで続くイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘の休止や人質の解放を巡る間接交渉について、ハマスの幹部は20日、ハマスが提示した休戦案に対するイスラエル側の反応は否定的だったと述べた。中東のメディアが同日、報じた。
ハマスは14日、パレスチナ人囚人の釈放と引き換えに、一部の人質を解放した後、恒久的停戦とイスラエル軍の完全撤収で合意する案を提示した。これに対しイスラエルのネタニヤフ首相は「非現実的だ」と一蹴した。
ネタニヤフ氏は20日、国民向けのビデオ声明で、ガザ地区最南部の都市ラファへの地上侵攻について、「戦闘地域から市民を退避させる計画を近く承認する。侵攻の準備に少し時間がかかる」と語った。また、バイデン米大統領との18日の電話会談に言及し、「地上侵攻なしにハマスを倒すことは不可能だ」と伝えたことを明らかにした。
一方、中東歴訪中のブリンケン米国務長官が22日にイスラエルも訪問する。米国務省が20日、発表した。ラファへの地上侵攻などについて協議するとみられる。