ガザ南部の病院に突入 イスラエル軍 人質拘束の情報

【エルサレム森田貴裕】イスラエル軍の特殊部隊は15日、パレスチナ自治区ガザ南部の最大都市ハンユニスのナセル病院に突入し、イスラム組織ハマスのテロリスト数十人を拘束したと発表した。また、院内で手榴弾(しゅりゅうだん)や迫撃砲弾などの武器を発見した。

軍報道官は、ハマスが同病院で人質を拘束しているとの情報があったと説明。病院の敷地内には人質の遺体がある可能性が高いとしている。軍によれば、人質はまだ見つかっていないが、軍部隊は病院やその周辺で捜索を続けているという。

イスラエル軍は突入作戦に先立ち、民間人の犠牲を最小限に抑えるため、病院から人道支援を行っている地域へ退避するための避難路を設置。住民に対し病院周辺から避難するよう呼び掛けた。

イスラエル軍はこれまでも、ガザ地区北部のシファ病院やランティシ病院などへの突入作戦で、ハマスの地下トンネルや武器を発見しており、ハマスが医療施設をテロ活動に利用しているとして非難してきた。

イスラエル軍は16日、ガザ地区南部や中部で攻勢を強め過去24時間でハマスの作戦本部や軍事施設を襲撃し、ハマスの司令官1人を含む多数の戦闘員を殺害したと発表した。北部でもハマス戦闘員が残っているとみて的を絞った攻撃を続けている。

エジプトとの境界にあるラファには、ガザ地区全域から多数の住民が退避し、100万人以上の避難民が身を寄せている。

ネタニヤフ氏は16日、イスラエル軍に対し、ガザ地区南部ラファの民間人を避難させ、残るハマス大隊を壊滅する計画を戦時内閣に提出するよう命じたと発表した。

ガザ保健省は16日、過去24時間で112人が死亡したと発表した。交戦が始まった昨年10月7日以降、ガザ地区での死者数は2万8775人に上った。

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