カタール首相「良い進展」 60日休戦提案 双方に依然隔たりも

カタールのムハンマド首相兼外相=16 日、スイス東部ダボス(AFP時事)

【エルサレム森田貴裕】カタールのムハンマド首相兼外相は29日、パレスチナ自治区ガザで戦闘を続けるイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘休止と人質解放に向けた米国、イスラエル、エジプト高官との協議に関して、「交渉を進めるための基礎を築く上で良い進展があった」と語った。イスラエルのメディアが同日、報じた。

ムハンマド氏は、米ワシントンで開催されたシンクタンクのイベントで、「われわれは戦闘休止に導くところまで協議を進めた」と強調。「ハマスの反応は制御できないが、仲介役として紛争当事者双方の隔たりを埋める努力をしている」と述べ、ガザ地区での戦闘終結と人質解放に向けた取り組みを続ける意向を表明した。

米メディアなどによると、イスラエルは、欧州で28日に協議されたハマスとの人質解放交渉に関する提案に同意した。この提案は、仲介役を務めるエジプトとカタールが計画した案を取り入れ、約2カ月間の戦闘休止を条件に人質を段階的に解放するというもの。また、ハマスが人質1人を解放するにつき、イスラエルは収監中のパレスチナ人囚人3人を釈放する。さらに、ガザ地区への人道支援物資の搬入量を増やすという。

一部報道では、ハマスとの交渉に向けた提案は、ハマスが解放する人質1人につき、パレスチナ人囚人100~250人が釈放されると報じられた。これを受け、イスラエル首相府は、声明で、「交渉に関する報道は真実ではない」と否定し、「イスラエルにとって受け入れがたい条件が含まれている」と述べた。イスラエルのメディアは、政府関係者の話として、「合意への道のりはまだ長い」と伝えた。

一方、ハマスは29日夜、声明で「恒久的停戦とガザ地区からのイスラエル軍撤収を含まない交渉は受け入れない」と述べた。イスラエルは、恒久的停戦には応じない姿勢で、双方の隔たりは大きく、交渉がどこまで進むかは依然不透明だ。

イスラエルのガラント国防相は29日、ガザ地区との境界付近に展開するイスラエル軍部隊を訪問し、「これまでの作戦でハマス戦闘員の半数を殺傷した」と強調。「テロリストは残っている」と述べ、ハマスの壊滅と人質の奪還まで、戦闘はさらに「数カ月は続く」との見方を示した。

イスラエル軍報道官は29日、攻勢を強めているガザ地区南部の最大都市ハンユニスで、ハマスの2大隊を解体したと発表。また、ハンユニスでの作戦で、これまでに2000人以上の戦闘員を殺害したと明らかにした。

ガザ保健省は30日、交戦が始まった昨年10月7日以降、ガザ地区でこれまでに2万6751人が死亡したと発表した。

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