ガザから撤退せず イスラエル首相 ハマスの要求拒否 人質解放の条件で

21日、エルサレムで、イスラム組織ハマスに拉致された 人質の解放を訴える家族(EPA時事)

【エルサレム森田貴裕】イスラム組織ハマスの壊滅を目指すイスラエルのネタニヤフ首相は21日、ビデオ声明で、パレスチナ自治区ガザに残る人質の解放と引き換えにガザ地区からのイスラエル軍撤退などを求めたハマス側の要求を拒否すると表明した。

ネタニヤフ氏は、ハマスは人質解放と引き換えに「恒久的な停戦、ガザ地区からのイスラエル軍の撤退、全ての殺人犯と強姦犯の釈放、ハマスの存続を要求している」と説明し、「これに同意した場合、イスラエル国民の安全は保証できない」と指摘。「人質奪還には軍事的圧力が必要だ」と述べ、ガザ地区での軍事作戦を継続すると改めて強調した。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは21日、米国やエジプト、カタールが、イスラエルとハマスに対し新たな停戦案を提示し、戦闘休止や人質解放に向けた交渉が数日中に再開される見通しだと報じた。停戦案は90日間をめどに段階的にハマスが拘束している人質を解放し、イスラエル側はパレスチナ人囚人を釈放し、ガザ地区から軍を撤退させるというもの。ただ、ハマス壊滅を掲げるイスラエルと恒久的停戦を求めるハマスの隔たりは大きく、事態打開につながるのかは不透明だ。

一方、イスラエル軍は21日、ガザ地区南部の最大都市ハンユニスで、ハマスが人質を拘束していたとする地下トンネルの映像を公開した。軍によると、トンネルは深さ約20メートル、長さ約830メートルで、内部には地雷など爆弾が仕掛けられていたという。軍は、ここで子供を含む人質約20人が拘束されていたとみている。

イスラエル軍は21日も、ハマス幹部が潜伏しているとみられるガザ地区南部ハンユニスを重点に攻勢を強めた。軍によると、地上部隊と空軍の連携による的を絞った攻撃で、多数のハマス戦闘員を殺害したという。

ガザ保健省は22日の声明で、過去24時間で190人が死亡したと発表。交戦が始まった昨年10月7日以降、ガザ地区での死者数は2万5295人に上った。

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