【エルサレム森田貴裕】イスラエル軍報道官は8日、パレスチナ自治区ガザ北部でのイスラム組織ハマスとの戦闘に関し、異なる部隊構成で新たな作戦に移行したことを明らかにした。
軍報道官は、ガザ地区北部では「ハマスの戦闘員も武器も残っているが、軍事組織としては機能していない」と指摘し、ハマス戦闘員の掃討と軍事インフラの破壊に注力していると強調した。また「中部や南部では激しい戦闘を続けている」として、「戦いは今年中続く」述べた。
イスラエル軍は9日、南部ハンユニスでの地上作戦をさらに拡大し、過去1日でハマス戦闘員約40人を殺害したと発表。地下トンネルに通じる立て坑や多数の兵器も発見したという。
ガザ保健省は9日、交戦が始まった10月7日以降、ガザ地区での死者数は2万3210人に上ると発表した。
イスラエル軍は8日、ガザ地区中部ブレイジで発見されたハマスの兵器製造工場の映像を公開。ハマスとの交戦開始以降に見つかった兵器製造施設としては最大規模で、長距離ロケットや迫撃砲弾などを生産していたとみられる。武器は地下トンネル網を通ってガザ地区の各拠点に運ばれていたとされる。
軍報道官はまた、シリアからイスラエルへ向けたロケット弾攻撃を指揮していたハマス幹部を8日に殺害したと発表。さらにレバノン南部のイスラム教シーア派武装組織ヒズボラの軍事拠点など多数の標的を攻撃したと明らかにした。