【エルサレム森田貴裕】イスラエル軍報道官は6日、パレスチナ自治区ガザ北部でイスラム組織ハマスの指揮系統の解体を完了したと発表した。また、「軍は現在、ガザ地区中部と南部での作戦に集中している」と述べ、ハマス壊滅と人質奪還に向けてさらに攻勢を強める構えを示した。
ハマスとイスラエル軍との交戦が始まって7日で3カ月だが、収束する気配はない。報道官は記者会見で、「ガザ地区中部は密集し、テロリストで満ちており、南部ハンユニスにはトンネルが分岐する地下都市がある」と指摘し、「テロとの戦いに近道はなく、時間がかかる」と述べた。また、住民の犠牲者を最小限に抑えるため、「より的を絞った作戦を継続する」と強調した。イスラエル軍は交戦開始以来、これまでにハマスの戦闘員8500人を殺害したという。
ガザ保健省は6日の声明で、過去24時間で120人以上が死亡したと発表。交戦が始まった10月7日以降、ガザ地区での死者数は2万2722人に上った。
イスラエルのネタニヤフ首相は6日、声明で「ハマスの壊滅、人質の帰還、ガザ地区が再びイスラエルの脅威とならないようにする」という目標を達成するまで戦いを継続すると改めて強調。「われわれはすべてを脇に置いて完全勝利まで団結し続けなければならない」と述べた。
一方、レバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラは6日、イスラエル北部にあるイスラエル軍施設に向けてロケット弾62発を発射したと発表。「ハマス指導者がレバノンで殺害されたことに対する報復だ」と主張した。
これに対し、イスラエル軍は6日、ヒズボラの軍事拠点2カ所を標的に空爆などを行った。ヒズボラの攻撃によるイスラエル側の死傷者は報告されていない。