イスラエル軍「ハマス防衛線突破」ガザ指導者の自宅を包囲

ガザ地区南部のラファで、イスラエルによる空爆後、くすぶる家屋の瓦礫の中で犠牲者を探すパレスチナ人=2023年12月6日(UPI)

【エルサレム森田貴裕】パレスチナ自治区ガザに残る人質の解放とイスラム組織ハマスの壊滅を目指すイスラエル軍の報道官は6日、ガザ地区北部ジャバリヤとシュジャイヤ、南部ハンユニスで「ハマスの防衛線を突破した」と発表した。同軍の地上部隊は南北で攻勢を強めている。

報道官によると、軍が包囲したハンユニスの中心部では激しい戦闘が続き、ハマスの戦闘員が地下トンネルから姿を現し、接近戦を繰り広げているという。

イスラエルのネタニヤフ首相は6日夜、ビデオ声明で、10月7日のイスラエル南部への奇襲攻撃の首謀者とされるハマスのガザ地区トップ、シンワル氏のハンユニスの自宅を包囲したと明らかにし、「見つけ出すのは時間の問題だ」と述べた。

報道官はシンワル氏について、「地上ではなく地下に潜伏している」と指摘。「われわれの任務は彼を捕らえ、殺害することだ」と強調した。

イスラエル軍はまた、ガザ地区北部にある診療所や学校の近くで、最大規模の武器庫を発見したと発表。押収したとする武器の映像を公開した。映像では、空き地に対戦車ミサイルやロケット弾、自動小銃など多数の武器が並べられ、長距離ロケットを兵士らが運ぶ様子が映されている。同軍は、ハマスが民間人を「人間の盾」として利用している証拠だと主張している。

中東のメディアによると、ハンユニスでは、イスラエル軍の攻撃から逃れようと、数千人の市民が南部ラファに避難し、人道危機は深刻化しているという。

イスラエル首相府は6日、ガザ地区南部への最小限の燃料搬入を認めると明らかにした。同地区南部における「人道状況の崩壊を防ぐためだ」としている。

6日早朝には、エジプトからガザ地区に6万9000㍑の燃料が搬入されたが、1週間にわたる人道的戦闘休止期間中に毎日搬入されていた11万㍑を大幅に下回った。

一方、イエメンの親イラン武装組織フーシ派は6日、イスラエル南部に向けて弾道ミサイルを発射したと発表した。フーシ派は、ハマスへの連帯を示し、弾道ミサイルやドローン(無人機)でイスラエルへの攻撃を繰り返している。

イスラエル軍は同日、南部の都市エイラートを狙った地対地ミサイルの飛来を確認し、軍の防空システムが紅海上で迎撃したと発表した。

spot_img
Google Translate »