ガザ南部に攻勢拡大 イスラエル 250カ所以上に空爆 ハマス司令官の「半数殺害」

5 日 、 イ ス ラ エ ル 軍 の 攻 撃 を 受 け 、 煙 を 上 げ る パ レ ス チ ナ 自 治 区 ガ ザ 南 部 ハ ン ユ ニ ス ( A F P 時 事 )

【エルサレム森田貴裕】パレスチナ自治区ガザに残る人質の解放とイスラム組織ハマスの壊滅を目指すイスラエル軍は5日、ガザ地区南部の主要都市ハンユニスに地上侵攻した。

イスラエル軍の報道官は5日、記者会見で、同軍の地上部隊がハンユニスを包囲し、ハマスに対する地上攻撃の「第3段階」を開始したと述べた。軍によると、同市の中心部で作戦を行っている軍部隊とハマス戦闘員との間で、これまでにない激しい戦闘が続けられているという。

軍報道官はまた、「ガザ地区北部のハマス司令本部などの多くの拠点を制圧し、現在、作戦の重心は南部に移っている」と説明。ここ数日間で、ハマスの上級司令官を含む多数の戦闘員を殺害したという。

イスラエル軍は6日、過去1日でガザ地区にあるハマスの軍事インフラや戦闘員など250カ所以上を標的に空爆を実施したと発表した。軍によると、ガザ地区北部では地上部隊が学校近くでハマス戦闘員と激しい戦いを続け、多数の戦闘員を殺害。複数の学校でハマスの地下トンネルに通じる立て坑や武器を発見し、破壊したという。

イスラエルのネタニヤフ首相は5日夜、記者会見で、ガザ地区に残る人質の解放について、「軍による地上作戦と外交努力によって人質110人を帰還させることができた」と指摘。「これが残る人質を連れ帰る唯一の方法だ」と強調した。

現在の地上作戦の進行状況については、「ハマス大隊のうち、これまでに司令官の約半数を殺害した」と述べ、ハマスの壊滅に向け順調に進んでいるとの見方を示した。また、戦争終結後については、「ガザ地区は武装解除されなければならない」と改めて主張。「この任務を果たすことができるのはイスラエル軍だけだ」と強調した。

ガザ保健省によると、衝突が始まった10月7日以降、ガザ地区の死者数は1万6200人を超えた。イスラエル側は約1200人が犠牲になった。

イスラエルは、人質137人が今もガザ地区で拘束されているとみている。

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