ガザ南部で攻撃強化 イスラエル「北部以上の作戦」強調

ガザ地区南部ハンユニス上空を照らすイスラエルの照明弾=2023年12月3日(UPI)

【エルサレム森田貴裕】パレスチナ自治区ガザに残る人質の解放とイスラム組織ハマスの壊滅を目指すイスラエル軍は、ガザ地区南部の都市ハンユニスなどへの攻撃を強化している。イスラエルのガラント国防相は4日、「南部で作戦を開始しており、そこでは北部での作戦よりさらに激しく容赦ない攻撃が行われるだろう」と強調した。

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イスラエルのメディアなどによると、イスラエル軍は、ハマスの主要拠点となっているガザ地区北部のジャバリヤ難民キャンプやガザ市シュジャイヤ地区で攻撃を強めており、さらに南部ハンユニスでは地上部隊が市周辺に展開し、砲撃や空爆を行っているという。イスラエル軍は、空爆を実施する前、犠牲者を最小限に抑えるため、住民に対しビラをまくなどして退避を繰り返し呼び掛けている。

イスラエル軍は5日、ジャバリア難民キャンプを包囲していた同軍の地上部隊が、ハマスの司令本部を襲撃したと発表。軍によれば、多数のロケット弾や武器などを発見し、民間の敷地内からもロケット弾発射装置などが見つかったという。

ガザ地区北部では4日、電話やインターネットなど通信が遮断した。パレスチナの通信会社パルテルは、主要な通信網が切断されたためサービスが全面的に停止したと説明。ガザ地区ではこれまでも通信サービスが頻繁に遮断されている。

ガザ保健省によると、衝突が始まった10月7日以降、ガザ地区の死者数は約1万5900人に上った。イスラエル側は約1200人が犠牲になった。

イスラエル軍は、イスラエルから連れ去られ人質となった女性や子供17人を含む137人が今もガザ地区で拘束されているとみている。

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