【エルサレム森田貴裕】イスラエルとイスラム組織ハマスの4日間の戦闘停止は27日、最終日に入り、双方は引き続き収監している囚人や人質の一部をそれぞれ解放する。
イスラエル首相府は27日、第4陣としてハマスが同日に解放する予定のイスラエル人人質11人の名簿を受け取ったことを明らかにした。ただ、今回の名簿には問題があり、協議が行われている。ハマスも同様に、釈放される囚人の名簿には問題があると主張しており、仲介役のカタールが問題の解決に向け交渉しているという。
ハマスは戦闘停止3日目の26日、パレスチナ自治区ガザに連れ去った人質のうちイスラエル人14人とタイ人3人の計17人を解放した。
イスラエル側は26日夜、収監しているパレスチナ人囚人39人を釈放した。
イスラエルとハマスの合意では、24日から4日間、パレスチナ自治区ガザでの戦闘を停止するとともに、ハマスがイスラエルから連れ去った人質のうち女性と子供50人を解放し、交換条件としてイスラエルは、収監しているパレスチナ人の女性や未成年者150人を釈放する。また、追加で人質10人の解放につき戦闘停止が1日延長され、それに応じて囚人が釈放されるとしている。
パレスチナ自治区ガザでの戦闘停止は28日午前7時に期限を迎えるが、ハマスとイスラエルは戦闘停止の延長を示唆した。
ハマスは26日、声明で「戦闘停止の延長を望んでいる」と発表し、より多くのパレスチナ人囚人の釈放を求めた。
これに対し、イスラエルのネタニヤフ首相は26日夜、ビデオ演説をX(旧ツイッター)に投稿し、ハマスとの人質解放に関する合意について、「毎日10人、追加で人質を解放するという枠組みがあり、それは歓迎する」と述べた。
米ホワイトハウスによると、バイデン大統領とネタニヤフ氏は26日、電話会談で人道的戦闘停止について協議し、「人質全員の解放を確実にするため引き続き取り組む」ことで一致。両首脳は今後数日間、緊密に連絡を取り合うことで合意した。ネタニヤフ氏はバイデン氏に、「戦闘停止の期間終了後、ハマスを壊滅するためにガザ地区での戦闘を再開する」と強調したという。