【エルサレム森田貴裕】イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘停止が24日午前7時(日本時間同日午後2時)に発効した。パレスチナ自治区ガザで戦闘を4日間停止する。先月7日の交戦開始以来、双方の合意に基づく戦闘停止が実現に至ったのは、初めて。
カタールや米国が仲介したこの合意では、ハマスがイスラエルから連れ去った人質約240人のうち女性と子供50人を解放し、交換条件としてイスラエルは、同国内で収監しているパレスチナ人の女性や未成年者150人を釈放する。
24日午後4時(同11時)に第1陣として人質13人の解放が予定されており、報道によれば、ガザ地区南部のエジプトとの境界にあるラファ検問所のエジプト側で人質が引き渡された後、空路でイスラエルに運ばれることになるという。
また、イスラエルとハマスは追加で人質10人を解放するごとに、戦闘停止を1日延長することで合意した。イスラエル当局によれば、さらに人質約30人が解放される可能性があるという。
戦闘停止期間中は、交戦で悪化したガザ地区の人道状況改善に向け、燃料を含む多くの人道支援物資が搬入される。
イスラエルの占領地政府活動調整官組織(COGAT)によると24日朝、燃料を積んだトラック4台と調理用のガスを積んだトラック4台の計8台がラファ検問所を通ってガザ地区に入った。
ネタニヤフ首相は23日、イスラエルを訪問したキャメロン英外相との会談で、「われわれは人質全員の救出に全力で取り組む。そして、ハマスの壊滅という目標を達成するため引き続き戦闘を行う」と改めて表明した。ネタニヤフ氏は、ハマスが繰り返しテロや拉致を行うと宣言していることを指摘し、「未来を脅かすハマスの残忍なテロ行為を根絶しなければ、イスラエルとパレスチナ、イスラエルとアラブ諸国間の平和への希望はない」と強調した。