【エルサレム森田貴裕】ハマスとイスラエル軍の交戦は2日も続き、イスラエル軍はパレスチナ自治区ガザ地区北部で空爆を強化し、地上作戦の拡大を続けている。
イスラエル軍は1日、ガザ地区北部で空爆を行い、イスラム組織ハマスの対戦車ミサイル部隊司令官が死亡したと発表した。また、空爆の様子を撮影した映像を公開した。
イスラエル軍報道官は、「地上作戦は計画通りに進んでいる。陸海空による連携攻撃でガザ地区北部のハマスの防衛線を突破した」と述べた。
イスラエル軍はまた、1日夜から2日未明にかけたガザ地区北部での戦闘で、ハマス戦闘員数十人が死亡したと発表した。同軍は、武器製造施設や対戦車ミサイル発射拠点などハマスの軍事インフラも破壊したという。
イスラエル軍によれば、交戦開始以来、ハマスを標的とした1万2000カ所以上への攻撃で、ハマス戦闘員約1200人が死亡した。イスラエル軍側は、ガザ地区での地上作戦で兵士17人が死亡した。
ハマスは2日の声明で、ガザ地区最大のジャバリア難民キャンプへの2日間にわたる空爆で少なくとも195人が死亡、777人が負傷したと発表した。約120人が瓦礫(がれき)の下敷きになっているという。また、ハマスは1日、イスラエル軍による31日の空爆で、外国人3人を含む人質7人が死亡したと発表した。
ハマスはイスラエル中部や南部に向けてロケット弾を発射し続けている。レバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラは連日、イスラエル北部のイスラエル軍基地などに向けて対戦車誘導ミサイルやロケット弾を発射し続け、イスラエル軍が空爆や砲撃で応戦している。
一方、報道によると、ガザ地区南部のエジプトとの境界にあるラファ検問所から1日、パレスチナ人負傷者76人と、日本国籍の10人を含む外国籍の335人がエジプトに入国した。パレスチナ当局者らによれば、2日もパレスチナ人負傷者数十人と外国人400人が退避する予定だという。