【エルサレム森田貴裕】パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエル軍の交戦は13日、7日目に入った。ハマスは13日も、イスラエル南部の都市などに向けて多数のロケット弾を発射し続け、イスラエル軍によるガザ地区への空爆は激しさを増している。
報道によると、交戦によりこれまでにイスラエル側の少なくとも1300人が死亡。パレスチナ側でも1500人以上が犠牲になった。
イスラエル軍は13日、ガザ地区北部にいるパレスチナ人などすべての住民に14日深夜までの24時間以内に同地区南部に退避するよう呼び掛けたことを明らかにした。退避対象にはガザ市も含まれるという。
イスラエル軍報道官は、「民間人への被害を最小限に抑えるため住民を避難させる取り組みを行っている」、同軍は「戦争の次の段階に向けて準備を進めている」と述べた。
また、12日夜から13日朝にかけてガザ地区のハマスや武装勢力の軍事施設や地下トンネルなど750カ所を標的とした空爆を実施したと発表。上級指揮官の住居も攻撃し破壊したという。軍報道官によると、7日の交戦以降、イスラエル軍はガザ地区へ爆弾約6000発を投下した。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は13日、イスラエルからの警告を受け、ガザ地区北部から活動拠点を移転すると発表。現地職員以外のスタッフを南部に移動させたという。国連によると、ガザ地区北部の人口は約110万人で、パレスチナ人全員が24時間以内に避難することは不可能だとしている。
報道によると、イスラエル軍によるガザ地区北部からの避難警告で、100万人以上のパレスチナ人がパニックに陥っているという。
イスラエル軍は、ガザ地区との境界近くに戦車部隊など兵力を集結させており、ハマス掃討を目的としたガザ地区への地上侵攻が差し迫っているとみられている。
パレスチナ自治政府のアッバス議長は12日、声明で、「民間人の殺害や虐待行為は受け入れられない」と述べ、「イスラエル軍とハマスの双方が道徳、宗教、国際法に違反している」として、双方に戦闘を停止するよう求めた。