【パリ安倍雅信】フランスのマクロン大統領は24日、主要TVのTF1とフランス2のインタビューに応じ、西アフリカとの軍事協力を終了し、クーデターで軍事政権に移行した西アフリカのニジェールから仏駐留軍を撤退させることを明らかにした。駐ニジェール大使も召還するとした。旧宗主国として関わってきたアフリカ政策が過去にない転換期を迎えることになった。
フランスは、旧植民地のマリやニジェールなどの旧政権の要請を受け、イスラム過激派掃討作戦のため仏軍約1500人を西アフリカに駐留させていた。マリの政変で仏駐留軍は現在、ニジェールに駐屯しているが、マクロン氏は「政権が変わり、フランスへの要請はなくなった」と主張。数カ月のうちに仏軍部隊を撤退させることを表明した。
ニジェールの首都ニアメーでは旧宗主国フランスに対する敵意と抗議運動が続き、駐ニジェール大使は監禁状態にあった。マクロン氏は、現在クーデター指導者らに拘束され、追放されたニジェールのバズム大統領を依然として同国の「唯一の正当な権威」とみなしており、追放された大統領は人質にされているとの認識を示している。
クーデターはニジェールやブルキナファソ、マリなどに続き、西アフリカと中央アフリカにある旧フランス植民地の一つ、ガボンにまで広がっている。対アフリカ外交の大きな転換点に立つフランスだが、マクロン氏は、ロシアの脅威について、「(フランスは)プーチン勢力の人質にされることはない」と述べた。