【エルサレム森田貴裕】イスラエル軍は11日、パレスチナ自治区ガザ地区で武装組織「イスラム聖戦」を標的とした空爆を実施し、ロケット部隊の司令官を含むイスラム聖戦メンバー3人が死亡したと発表した。
イスラエル軍によれば、10日から11日朝までにガザ地区のイスラム聖戦の拠点など147カ所を標的に攻撃を行ったという。
パレスチナ保健省によると、10日の空爆で、子供を含むパレスチナ人6人が死亡。9日以降のイスラエル軍による空爆で、これまでに民間人10人を含む少なくとも25人が死亡、76人が負傷した。
一方、ガザ地区からは10日から11日の朝にかけてイスラエル中部テルアビブなどに向けロケット弾500発以上が発射された。ベングリオン国際空港では、ロケット弾攻撃の間、すべての航空機の離発着が停止された。
大部分のロケット弾はイスラエルの防空システム「アイアンドーム」などで撃ち落とされたが、数発が南部の都市スデロットの住宅などを直撃した。アシュケロン市の医療センターによると、9日以降、これまでにイスラエル人25人が負傷した。
イスラエルのネタニヤフ首相は10日夜のテレビ演説で「イスラエル軍の攻撃はまだ続く」と警告。「イスラム聖戦にかつてない打撃を与える」と強調した。エジプトの仲介で停戦すると一部報じられているが、イスラエルはこれを認めていない。
イスラエル軍が9日未明に行ったガザ地区への空爆で、イスラム聖戦の上級幹部3人が死亡。空爆後、イスラエル軍はガザ地区からのロケット弾集中砲火攻撃を警戒し、ガザ境界に近いスデロット市などの住民数千人を北部に避難させていた。
イスラエルの刑務所で2日、イスラム聖戦の幹部がハンガーストライキの末に死亡。ガザ地区からは3日朝までに100発以上のロケット弾が発射され、イスラエル軍は報復としてガザ地区を空爆。攻撃の応酬が続いている。