トップ国際朝鮮半島【寄稿】北と特別な関係築いた家庭連合、韓国政府は南北和解へ連携を

【寄稿】北と特別な関係築いた家庭連合、韓国政府は南北和解へ連携を

元米朝鮮半島和平担当大使 ジョセフ・デトラニ

 2005年、文鮮明師と妻の韓鶴子氏が創設した世界平和統一家庭連合(旧統一教会)は、NGO「天宙平和連合(UPF)」を設立した。UPFは北朝鮮と緊密な関係を維持してきた。

元米朝鮮半島和平担当大使 ジョセフ・デトラニ
元米朝鮮半島和平担当大使 ジョセフ・デトラニ

 12年に文師が死去して以来、家庭連合を率いてきた韓氏に、贈賄の罪で2年の懲役刑が言い渡されたことは、北朝鮮指導部を困惑させたに違いない。

 1991年、夫妻は北朝鮮を訪問し、指導者だった金日成氏と親密な関係を築いた。文師が死去した際には、北朝鮮の金正恩氏(日成氏の孫)は遺族に弔意を伝え、花輪を贈ったほか、文師に「祖国統一賞」を授与した。

 文師の死去10周年の22年に開かれたUPFの世界サミットでも正恩氏は韓氏に花輪を贈り、弔意を伝えた。メッセージには「文師は世界平和のために尽くした。…その功績と遺産は永遠に記憶されるだろう」と記されていた。

 UPFの主要な目的の一つは、南北朝鮮の平和的統一だ。これは、1991年に文師夫妻が日成氏と会談したことにも表れ、2022年に正恩氏が弔意を示した際にも引き継がれていた。

 ところが翌年、北朝鮮は「二つの敵対国家」政策を正式に打ち出した。26年には、この原則を憲法に明記した。これは、北朝鮮が統一という目標を公式に放棄し、それ以降の南北関係を、別個の敵対する二つの主体の関係と位置付けたことを意味する。

 韓国の李在明政権による北朝鮮との対話再開の試みは失敗した。

 家庭連合は140カ国以上に信者を持つ。信者は韓氏を指導者として仰ぎ、UPFが掲げる世界平和と南北朝鮮の平和的統一という使命を支持している。

 韓氏の懲役刑を受けて別の問題も浮上している。家庭連合とUPFの今後の地位だ。

 実際、韓国政府がこれらの団体の解散を検討するようなことがあれば、信教の自由に対する明白な攻撃と受け止められるだろう。

 宗教を信じるかどうかにかかわらず、われわれが暮らす民主主義社会は、自由に信仰する権利を保障している。

 UPFが北朝鮮と良好な関係を築いてきたことを考えれば、韓国政府は、北朝鮮との関係を再構築するため、家庭連合、UPFと協力すべきだろう。

 朝鮮半島では緊張が極度に高まっている。北朝鮮は現在、ロシアと軍事的に連携している。北朝鮮軍の戦闘部隊がロシアに派遣され、プーチン大統領のウクライナ侵攻を支援している。北朝鮮はロシアに砲弾や弾道ミサイルも供給しており、その見返りとしてロシアから軍事技術の支援を受けているとみられている。

 こうした状況は、朝鮮半島の平和や北東アジアの安定にとって、決して好ましいものではない。

 UPFと韓氏は、北朝鮮とその指導者である正恩氏との間に独自の関係を築いている。韓国政府はこの関係を生かし、北朝鮮との対話再開につなげるべきだ。最終的には、朝鮮半島の平和的統一を目指すべきだ。

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