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韓国と米国の不正選挙論【セゲイルボを読む】

ソウルのオリンピック公園内ハンドボール競技場前で「不正選挙」を糾弾する若者たち=6月10日(上田勇実撮影)

 ドナルド・トランプ米大統領が16日(現地時間)国民に向け演説を行い、2020年の大統領選挙が不正だったと主張した。中国が米国有権者ファイル2億2000万件を買収またはハッキングで確保し、選挙結果に影響を及ぼそうと試み、米政財界・メディア界の「ディープステート(闇の政府)」が中国の大統領選挙介入情報を隠蔽(いんぺい)・縮小したと訴えた。

 当時もトランプ氏は「大規模な不正選挙があった」と繰り返していた。郵便投票の操作や投票・開票機の誤りなどを主張し、数十件の訴訟を起こした。裁判所と選挙当局は結果を覆す不正選挙の証拠はないと判断したが、トランプ氏の主張は揺るがない。

 これに対する米国社会の反応は冷たい。不正選挙を信じる一部の支持者はいるものの、野党民主党だけでなく与党共和党でも投票結果操作説には同調しない意見が少なくない。16日の大統領演説もCNNとABC、NBCなど主要局は生中継しなかった。根拠のない主張を伝えないという意志とみられる。

 トランプ大統領の不正選挙論を見ていると、韓国の現実も目に入る。米国では一部の政治家の虚偽の主張を裁判所と選挙当局、メディアが牽制(けんせい)して歯止めをかけたが、一方で、韓国では選挙を管理しなければならない憲法機関である選挙管理委員会が自ら不正選挙論に付け入る隙を与えてしまった。

 先月の地方選挙で投票用紙が足りず、一部の有権者が長時間待機したり、投票を諦める事態が起きたのだ。原因は予想投票需要を低く見積もって投票用紙を少なく準備したことが分かっている。投票用紙の製作予算は増額しておきながら、刷るのは減らしたというのだ。

 真相究明のための検察・警察合同捜査本部の捜査が進められているが、投票率を勝手に捏造(ねつぞう)していた疑惑まで出てきた。実務者が投票者数を誤って入力した事実を隠すために、他の投票所の投票者数を修正したということだ。投票当日、最終投票者数と投票率だけ合えば良いのではないかと言い訳したという報道もあった。

 投票用紙の不足、投票者数の恣意(しい)的な変更が即、操作選挙または不正選挙を意味するものではない。しかし、選官委による地方選挙のずさんな管理が不正選挙論を育てたという指摘は避けにくい。一般市民にも「もしかして」という疑いを抱かせた。これに抗議して再選挙を要求する、いわゆる「五輪デモ」は50日以上続いている。選挙制度を守らなければならない一部の政治家たちまでが不信を煽(あお)っている。

 選挙は「民主主義の花」だ。民主主義の基本は民意の反映であり、選挙が公正だったという社会的合意は、勝者に正当性を与える。だから選挙が揺れると民主主義が揺れる。

 今回は管理に誤りがあっただけで、まだ韓国の選挙は公正だと信じたい。不良管理を明らかにし、調査結果を基に対策を作り実践してほしい。今度また選挙管理に隙ができれば、今以上の混乱が生じるだろう。「選挙は公正で、過程も公正だ」という命題が元通り当然になるように、あらゆる努力が必要だ。

(李珍慶(イジンギョン)国際部長、7月29日付)

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