3万要請も自国安保を考慮
ウクライナ侵攻を続けるロシアが戦況悪化を受け、北朝鮮に3万人規模の特殊部隊派兵を要請したが、北朝鮮は自国の安保空白を理由に1万人から2万5000人の派兵にとどめるべきだと内部で検討していたことが分かった。30日、露朝関係筋が本紙に明らかにした。最終的な派兵規模は、今月19日にモスクワで行われたプーチン大統領と北朝鮮の崔善姫(チョソンヒ)外相との会談時に大筋で合意した可能性もありそうだ。(ソウル上田勇実)

同筋によると、ロシア側が北朝鮮に追加派兵を要請し始めたのは今年4月。モスクワをはじめロシア各地の戦略資産がウクライナ軍の長距離ドローン攻撃にさらされたが、新たに招集され戦場に投入された新兵が経験不足などにより多数死傷したことで、北朝鮮に追加派兵を要請する計画が浮上したという。
北朝鮮は2024年以降、ロシア西部のクルスク州を奪還するため約2万人規模の特殊部隊を派兵したが、昨年後半からロシアの財政悪化で北朝鮮への外貨支払いが滞ったり、食糧や食用油など代替品を支給し始めたことで、両国の間に軋轢(あつれき)が生じていたという。
またロシアはクルスク州奪還作戦後、北朝鮮兵のウクライナ前線投入を求めたが、北朝鮮はロシア領を越えることに慎重で、回答を延ばしていた。
戦況悪化で危機感を募らせたロシアは、滞りがちだった北朝鮮への外貨支払いを再開させ、北朝鮮はロシアが要請した「3万人追加派兵」を真摯(しんし)に検討し始めたが、北朝鮮としては特殊部隊約17万人のうちすでに派兵された2万人に加え、3万人を追加派兵すれば「北朝鮮軍の軍事力空白が生じかねない」(同筋)ため、即答できなかったという。
その後、ロシアは北朝鮮兵の給与を初期の1カ月2000㌦より多く支払い、遅配しないことも約束。北朝鮮は内部的に1万人から2万5000人の派兵にすることを検討しているという。
韓国政府系シンクタンク国家安保戦略研究院(INSS)は今月まとめた報告書で、北朝鮮がロシア派兵の見返りに受け取った外貨は24年、25年の2年間で総額6億2000万㌦に達すると推定した。今回の追加派兵について南成旭・元高麗大学教授は「苦戦するプーチン大統領と、より多くの見返りを求める金正恩総書記の双方にとってプラスになる取引」と指摘した。






