トップ国際朝鮮半島半導体工場よりも重要なのは人

半導体工場よりも重要なのは人

ソウルのサムスン電子・瑞草ビルに掲げられたサムスンのロゴ=7日撮影(AFP・時事)
ソウルのサムスン電子・瑞草ビルに掲げられたサムスンのロゴ=7日撮影(AFP・時事)

 世界科学技術界の注目を集めるニュースが伝えられた。1988年ノーベル化学賞受賞者であるドイツの世界的生化学者ハルトムート・ミヒェルが中国吉林大学専任教授として任用された。彼はドイツのマックス・プランク研究所所長を務めた世界的碩学(せきがく)だ。欧米のトップクラスの科学者が相次いで中国の大学や研究機関に向かっている。過去、中国は海外の中国人科学者を帰国させることに集中していたが、今や国籍を超えて世界最高水準の頭脳を吸い寄せる「人材ブラックホール」となっている。

 これは単なる科学者の獲得ではない。人工知能(AI)、半導体、量子技術、バイオなど未来産業覇権を先取りしようとする国家戦略だ。最先端技術は特許と設計図だけで作られているものではない。数十年にわたって蓄積された研究経験とプロセス技術、創造的な問題解決能力が組み合わされて、初めて新しい技術が誕生する。

 一方、韓国の現実は憂慮すべき状態だ。近年、半導体とディスプレー、リチウムイオン電池など国家戦略産業で核心研究人材が中国企業に転職し、国家核心技術が流出する事件が相次いでいる。元サムスン電子従業員のDRAMコア技術流出事件と有機発光ダイオード(OLED)技術流出事件は代表的な事例だ。技術文書数枚が渡ったというレベルではない。人の頭の中に蓄積された研究経験と製造工程技術、生産ノウハウが共に競争国に移転されたのだ。

 産業スパイの方式も変わっている。以前は技術文書や設計図を盗んだが、今では核心研究人材を確保することが目標だ。人一人が数十冊の技術資料よりも大きな価値を持つという事実を競争国はよく知っている。

 韓国の産業政策は半導体クラスターを造成し、生産施設を拡充することには果敢だが、今後の技術を開発する人材を育て、守る戦略は相対的に不足しているようだ。先端産業は結局人が作るだけに、いくら世界最大規模の半導体工場を建てても核心研究者が海外に流出すれば技術超格差は長く維持できない。

 このような人材政策は半導体工場の着工式のように派手な行事もなく、数兆ウォン規模の投資発表のように政治的な見てくれの効果もない。しかし国家百年の大計を考えると、これより重要な投資はない。世界的な研究者一人を育てるには数十年かかるが、その人材が海外に出るのは数日で十分だ。一度流出した技術と人材を元に戻すのは、はるかに難しい。

 今、産業政策の優先順位を立て直さなければならない。半導体クラスターの構築と同じくらい、いや、それよりも先に国レベルの人材管理戦略が重要だ。海外から優秀な科学者を積極的に誘致し、海外で活動している韓国人研究者が戻ることができる研究環境を造成しなければならない。国内核心研究人材に対する処遇と保護、産業スパイと技術流出に対する対応も一層強化しなければならない。人を失うとスキルを失い、スキルを失うと未来を失う。21世紀の産業覇権は人をどれだけ集めて守るかによって決まる。

(チェ・ソンジュン西京大軍事学科教授、7月21日付)

spot_img

人気記事

新着記事

TOP記事(全期間)

Google Translate »