トップ国際朝鮮半島沸き立つスタバ「タンクデー」論争 韓国の国民感情を刺激

沸き立つスタバ「タンクデー」論争 韓国の国民感情を刺激

韓国・ソウルのスターバックス店舗=19日(時事)
韓国・ソウルのスターバックス店舗=19日(時事)

 グローバル企業はしばしば、現地の歴史的・文化的情緒と国家的な悲劇を無視し、苦しい立場に立たされがちだ。ナイキ(NIKE)は2013年、「ボストン虐殺」のフレーズが入ったTシャツを販売して公憤を買った。

 もともとこの言葉は、米メジャーリーグの歴史的なライバルであるニューヨーク・ヤンキースとボストン・レッドソックスの試合を狙った「スポーツスラング」だった。偶然にも同年4月、ボストンマラソン大会で爆弾テロが発生し約260人が死傷したが、人々の目にはこのTシャツが被害者を嘲笑しているように映った。

 ナイキは5年後も、白人警察の過剰鎮圧のせいで黒人が亡くなった事件に抗議して国民儀礼を拒否したアメリカンフットボール選手を広告モデルに起用し、論争に巻き込まれたこともあった。

 マクドナルドも、ポルトガルでイチゴシロップをかけたアイスクリームを「サンデー・ブラッディ・サンデー(Sundae Bloody Sundae)」という刺激的な言葉で広報して、問題が起こった。有名ロックバンド(U2)の歌のタイトル「血の日曜日」(Sunday Bloody Sunday)と発音が同じ点に着眼したと説明したが、顧客は1972年、北アイルランドで英軍が無差別銃撃で民間人を虐殺した悲劇的な事件を思い起こした。欧州全域で不買運動が燃え広がり、会社側は厳しい代価を払った。

 一昨日(18日)、スターバックスコリアが、タンブラーを割引価格で販売する「タンクデー」イベントを企画して、批判にさらされている。案内文には「特典が机の上にポン(韓国語でタッ)」というフレーズまで入れた。

 5・18(民主化運動=1980年光州事件)当時、新軍部が市民の民主主義への熱望をタンク(戦車)で踏みつけ、第五共和国(全斗煥)政権が大学生の朴鍾哲氏を拷問死させた事件を「机をポン(タッ)と叩(たた)いたら、ウッと言って死んだ」という詭弁(きべん)で糊塗(こと)したことを連想させたのだ。

 市民社会とオンライン空間が沸き立った。李在明大統領も「低俗な商売人の非人間的な破滅的行為に怒りを感じる」と強く批判した。

 スターバックスコリアの歴史・道徳不感症論争は昨日今日のことではない。4年前、消費者プレゼントの「サマーキャリーバック」からは、発がん物質が検出された。2013年には、光復節(8月15日、日本統治からの解放記念日)記念タンブラーに描いた朝鮮半島の地図に独島(竹島)がなかった。

 親企業である新世界グループの鄭溶鎮会長は、直ちに国民に対して謝罪し、経営陣も更迭した。ところが鄭会長もかつて「共産党が嫌い」「滅共」などに言及して物議を醸したことがある。「こういうことが繰り返されないように、必要なあらゆる措置を尽くす」という鄭会長の誓いが、今回は守られることを願う。

(朱春烈論説委員、5月20日付)

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