トップ国際朝鮮半島「ヘル朝鮮」の青年に希望を与えよう 人を生かすシステムづくりを

「ヘル朝鮮」の青年に希望を与えよう 人を生かすシステムづくりを

韓国の大学入試試験(大学就学能力試験)を終えて試験会場を出る受験生=ソウル、2025年11月13日(セゲイルボHPより)
韓国の大学入試試験(大学就学能力試験)を終えて試験会場を出る受験生=ソウル、2025年11月13日(セゲイルボHPより)

 わが国は自殺率世界1位の国だ。そのうち青年の自殺率は深刻だ。毎日1人が人生に幕を下ろす。ニュースは一時的に騒ぎ、政治家は対策を論じ、関係省庁は報告書を作成する。そして数日が過ぎると、いつそんなことがあったのかというように日常に戻る。

 自殺予防相談の電話人員すら予算不足で定員に達しないという現実が、まかり通る国で、青年の死はそのように数字として処理され、忘却の中に埋もれてきた。これが大韓民国が長い間繰り返し見せている素顔だ。

 数字は冷酷だ。自殺は10代から39歳まで、韓国全体の年齢層で死亡原因の1位だ。2022年には20代の死者の半分以上が自殺で生を終えた。25年には、40代でも自殺ががんを抜いて死亡原因の1位になった。15年に4947件だった青少年・青年(9~24歳)の自殺未遂と自殺の件数は、19年には9828件になり、わずか4年で倍増した。1日平均26・9人の若者が自殺を試みたり、自殺しているという意味だ。

 Kポップが世界を席巻し、Kドラマが全世界の茶の間を占領している間、その華やかな舞台の裏でこの国の青年たちは静かに崩れていた(出典:統計庁「死亡原因統計」、保健福祉部・中央自殺予防センター、疾病管理庁の「救急室損傷患者詳細調査」と国家損傷情報ポータル)。

 なぜ彼らは人生を諦めるのか。原因は構造的であり、その構造をつくったのは私たちの社会全体の責任だ。入試競争の首枷(くびかせ)は生まれた瞬間から青年を締め付け始める。ソウルの高校生の46%が学業ストレスでうつ病を経験しているという研究結果がある。

 その関門を通過しても地獄は終わらない。就職難、不安定な雇用、高騰する住宅価格。「一生懸命やればいい」という言葉が嘘(うそ)になってしまった社会で、青年たちは「ヘル(地獄のような)朝鮮」という自嘲でこの地を呼び、その絶望の果てに極端な選択をした。

 日本は違った。よく似た構造的問題を抱えていたが、07年に自殺を国家と社会の責任と公式宣言した。過労による自殺を社会的犯罪と規定し、企業の長時間労働を法律で強く規制した。青年の心理相談を大幅に拡大し、精神科治療に対する社会的烙印(らくいん)を減らすことに国家の力を集中した。その結果、19年の自殺率は歴代最低を記録した。意志ではなく、システムが人を生かした。

 それなら、韓国も日本の事例から学ばなければならない。精神健康サービスを当事者が訪れる構造から、国家が先に訪ねていく構造に転換しなければならない。青年の雇用不安と住居問題の解決なき自殺予防は、空虚なスローガンだ。たった一つの試験で人生を序列化する教育システムも、根本から変える必要がある。そして何よりも、苦しいと言うことが勇気であることを社会全体が認めなければならない。

 競争だけを強要し、失敗を許さない文化、痛みを表すと「弱い」と指をさす認識、青年の絶望に予算がないと目を背けた国家、そしてその全てを黙認した私たちが皆で一緒につくってきた社会の悲劇だ。

 大統領の怒りが今回だけは言葉で終わらないことを願う。今日もどこかで青年の一人が静かに人生を終えているかもしれない。その死の前で自由な人は誰もいない。

(ボク・ジンセ コラムニスト、5月15日付)

spot_img

人気記事

新着記事

TOP記事(全期間)

Google Translate »