【ポイント解説】グローバル枢軸国家
李在明政府は、韓国が「ルールに従う側」から「ルールを作る側」の「グローバル枢軸国家」になることを目指すとしている。常に強大国の間で翻弄(ほんろう)されてきた弱小国としては非常に野心的な目標であるが、今や「世界10位圏内の経済大国」となり、Kポップ、映画はじめKカルチャーが「世界を席巻」していることが、その自信の裏付けとなっているようだ。
ただし、外交、安全保障面でグローバル枢軸国となるにはまだ課題が多い。「大国間の架け橋」になると豪語している割には、貿易立国韓国の生命線となる台湾海峡問題で米国と中国の間で右顧左眄(うこさべん)し、MIKTAのような多国間枠組みには参加しているものの、そこで指導的役割を果たすまでには至っていない。
唯一成功しているように見えるのは前の文在寅政権で「最悪の状況に陥った」対日関係を立て直しつつあることだ。シャトル外交を再開させ、トランプ関税、ウクライナ戦争、イラン戦争で「類似した立場」にある日本との連携を深め、共同して対応しようとしている点だ。李大統領の「実用外交」が発動しているといっていい。
だが、その李政権が面目をつぶすことが起こった。韓国はまだペルシャ湾に26隻(うちタンカー17隻)が足止めされているが、先月末、日本の出光興産子会社の超大型原油タンカーが無事ホルムズ海峡を通過した。さらに、それ以前にも日本籍LNG船が3隻通過していたのだ。まだ1滴も石油を通していない韓国内では「外交の天才はどこで何をしているのか」と李政府への批判が巻き起こった。
また対北朝鮮で緊密に連携しなければならない米国とは軍事機密情報の取り扱いでトラブルが起きており、「架け橋」の基礎となる信頼がまだ構築できていない状況だ。枢軸国家への道はまだ遠い。
(岩崎 哲)







