
訪米中の張東赫(チャンドンヒョク)「国民の力」代表が現地で連日、李在明政権に向けて激しい批判を浴びせている。張代表は15日(現地時間)、米国際共和研究所(IRI)で演説し、現政権の対北朝鮮政策を辛辣(しんらつ)に攻撃した。
張代表は「韓国政府は(対北朝鮮)抑止力よりも表面的な対話の姿勢と融和的なシグナルに、より重きを置いているようだ」とし、「韓米合同軍事演習を縮小し、9・19南北軍事合意(2018年)の復元を推進するなど、同盟の信頼の根幹を弱めるように行動している」と語った。太平洋を渡り、同盟国の関係者の前で内輪もめを繰り広げる様子を見守る国民は、眉をひそめている。
6月3日投開票の地方選挙が差し迫る中で訪米し、ただでさえ非難の声が噴出しているのに、事あるごとに韓国政府を非難しているのだ。米国で政府の外交政策を貶(けな)すことが、果たしてわれわれにとってどんな役に立つだろうか。
野党は政権の牽制(けんせい)と批判が使命だというが、時と場所は選ぶべきだ。特に韓米関係が敏感な経済・安保の懸案で絡み合っている時期なので、野党の指導者ならば当然、超党派的な協力を土台に国益を極大化する姿勢を示すべきだ。しかし張代表は、韓国内部の政争をそのままワシントンに持ち込むことによって韓国の分裂した姿だけを露呈させ、今後の韓国政府の外交的な交渉力を弱めるという墓穴を掘った。
張代表は訪米中に、肝心の国民が共感する外交の成果は出せていない。国民の力は訪米を控えてJ・D・バンス副大統領、マルコ・ルビオ国務長官、トランプ大統領の「精神的指導者」と呼ばれるポーラ・ホワイト牧師との面会も推進したが、すべて不発だった。
張代表一行は、ホワイトハウスと国務省で誰に会ったのかについては「セキュリティー上の理由で明かせない」という苦しい言い訳しかしていない。
さらに張代表は、帰国日程を突然変更して混乱に拍車を掛けた。当初、17日午後遅く帰国する予定だったが、突然3日先延ばししたのだ。「米国務省側の連絡を受けて日程を増やすことになったと理解している」というのが、代表秘書室側の説明だ。
現在、国民の力は崩壊直前の混乱に陥っている。韓東勲前代表が事実上、出馬宣言をした釜山北区甲選挙区の無公認を巡る論争が激化しており、大邱市長候補の公認問題も相変わらず解決策が見つかっていない。
昨日、発表された韓国ギャラップの世論調査で、与党の共に民主党は前週と同じ48%の支持率を維持したが、国民の力は19%と1ポイント下がるほど世論も冷え込んでいる。張代表の訪米は、最初から最後まで常識を持つ人には理解し難いことが多い。今、張代表がいなければならない場所はワシントンでなく、対立が噴出している公認問題の現場だ。張代表は今からでも名分のない「非難外交」をやめ、早急に帰国して代表本来の責任を果たすべきだ。
(論説室の視点、4月18日付)





