
第1野党である「国民の力」が果てしない凋落(ちょうらく)を繰り返している。2月26日公開の全国指標調査(NBS)の結果、国民の力の支持率は17%だった。これは張東赫(チャンドンヒョク)代表の就任後、最低であるだけでなく、政権与党である共に民主党(以下、民主党。45%)の半分にも及ばないひどい数字だ。“保守の心臓”と呼ばれる大邱・慶尚北道(慶北)ですら民主党と同率(28%)であるとの事実は、国民の力が根本的な民心離反に直面していることの証左だ。
27日に発表された韓国ギャラップの調査結果もさほど変わらない。国民の力の支持率は22%で民主党(43%)の半分の水準にとどまった。特に6月3日の地方選挙で最大の激戦地である釜山・蔚山・慶尚南道(慶南)で民主党(42%)と国民の力(25%)の支持率の差が17ポイントで、韓国ギャラップの2005年の関連調査以来、最大に広がった。ソウル、仁川・京畿道、大田・忠清南道(忠清)・世宗でも全て民主党が20ポイント以上の大差をつけて、国民の力の孤立はますます深刻化している。
国民の力の支持率の低下と民心離反は、内部の混乱が決定的な原因だ。尹錫悦前大統領が一審で無期懲役を宣告されたが、張東赫代表は「尹錫悦無罪推定」「尹との絶縁を要求する勢力との絶縁」を宣言し、民心に逆行しているとの批判を受けた。これに反発する勢力が主流側と衝突し、党内の対立は極みに達した。変化と刷新を望む民心に応えるよりも、派閥の利益に埋没し内紛だけを繰り広げる政党を支持する国民はいない。
第1野党が支離滅裂なので、政権与党の暴走に手も足も出ない。民主党は26日、国会本会議で「法の歪曲(わいきょく)罪」を盛り込んだ刑法改正案を強行処理したのに続き、27日には裁判訴願法(大法院=最高裁の確定判決にも憲法裁判所に憲法訴願できるようにする法律、四審制と批判される)さえ通過させた。続いて大法官(最高裁判事)の人数を現行の14人から26人に増やす「大法官増員法」(法院=裁判所組織法改正案)を上程し、28日までに司法改革3法の立法手続きを終えようとしている。
これらの法案は司法体系の根幹を揺るがす違憲要素を多く含んでいる。「法の歪曲」という概念が抽象的で曖昧であり、憲法が定める明確性の原則に反する。韓国憲法は大法院を最高の裁判所と規定し、裁判訴願のような四審制の導入も違憲との指摘が絶えない。大法官増員法が通過すれば、李在明大統領は任期中に大法官22人を任命できる。自身の有罪を意味する(二審判決)破棄と審理の差し戻しを命じた現大法院の構成を完全に変えて「司法府の掌握」を狙っているのではないかという疑念を拭い去り難い。たとえ差し戻し審で有罪が出ても、裁判訴願を活用して憲法裁判所で覆そうとすることができる。
こうした問題だらけの法案をほぼ無防備状態で通過させるのは、第1野党が国民の信頼を失って無気力になったためだ。張代表が「尹アゲイン」勢力との決別を拒否し、中道層はもちろん、合理的な保守層まで背を向けさせた。内紛に没頭して世論を説得する力も失い、与党と対抗する陣形も整えられていない。野党が牽制(けんせい)機能を失えば、民主主義が正しく機能するはずがない。刷新を拒否した野党に返ってくるのは、民心の厳しい審判だけだ。(論説室の観点、2月28日付)






