トップ国際朝鮮半島北朝鮮党大会 「核保有国」強調、米と会談か

北朝鮮党大会 「核保有国」強調、米と会談か

22日、北朝鮮の平壌で開かれている朝鮮労働党大会で総書記に再任された金正恩氏(朝鮮通信・時事)
22日、北朝鮮の平壌で開かれている朝鮮労働党大会で総書記に再任された金正恩氏(朝鮮通信・時事)

正恩氏、“成果”アピール

韓国と断絶、日本に言及せず

元幹部「ジュエ氏が後継」

 先月19日から25日までの1週間、北朝鮮の平壌で5年ぶりに行われた朝鮮労働党第9回大会では、過去5年間の“成果”として「核保有国」の地位が強調され、今後、トランプ米政権との対話に含みを持たせる考えも示された。今年、米朝首脳会談が実現する可能性に関心が集まりそうだ。一方、韓国とは関係断絶が繰り返し強調され、冷え込んだ南北関係の修復は遅れる公算が大きい。(ソウル上田勇実)

 北朝鮮メディアによる党大会の総括報道によると、金正恩総書記は前大会(第8回)からの5年間を振り返りながら、「核武力を中心とする防衛力強化を達成した」と述べ、それに関連し最も重要で戦略的意味を持つのは「核保有国の地位を後戻りできないように永久的に固めた」ことだと強調した。

 報道は、核保有国の地位について「徹底して行使することはわが党の確固不動たる意志」「堂々と国法として定着させた」とも言及し、北朝鮮は非核化に全く応じない構えだ。

 正恩氏が「核保有国の地位」の先に見据えるのは、米朝首脳会談に意欲を示すトランプ氏と会って核軍縮を話し合い、米国による敵対視政策の解除や米国が主体となってきた国際社会による対北経済制裁の緩和を引き出すことだとされる。

 実際、北朝鮮は今回の党大会で米国を繰り返し非難する一方、「米国が北朝鮮憲法に明記されたわが国の現地位を尊重し、対北敵対視政策を撤回するなら、われわれも米国と仲良くできない理由はない」と明らかにした。

 一方、正恩氏は「敵対的2国家論」に基づく韓国との関係断絶を今後も維持する考えを鮮明にさせた。

 党大会では政策維持の理由について「わが国内部にあの者たち(韓国)の文化を流布させながら、誰か(北朝鮮)の変化を狙い、われわれの体制の崩壊を企図している」ことが挙げられた。韓国との体制競争を諦め、韓国文化流入による社会動揺に恐れを抱いている実態が改めて浮き彫りになった。

 その上で北朝鮮は「現政権(李在明政権)が表面的に標榜(ひょうぼう)する融和的態度は下手な欺瞞(ぎまん)劇であり拙作だ」と一蹴。李政権の対北政策は歴代左派政権で南北首脳会談などの実現に尽力した「自主派」と呼ばれる融和派が主導しているが、北朝鮮は今回、「韓国を同族という範疇(はんちゅう)から永遠に排除する」という強い言葉で遠ざけた。

 ただ、「(韓国との関係で)残っていることがあるとすれば、国益に準じた冷徹な計算と徹底した対応」とも言及しており、一部では「韓国との断絶関係が変化する余地を残したもの」との見方も出ている。

 党大会では、日本に関する言及はなかった。

 軍事や経済を中心に中露2カ国の後ろ盾を得ることで国家存立の基盤を固めつつある北朝鮮にとり、当面は住民の不満を解消する国内経済立て直しが急務とみられる。人道問題である日本人拉致問題の解決を「最優先課題」と位置付け、軍拡路線を敷く北朝鮮にとっては決して譲れない弾道ミサイル発射などへの非難を強める日本との関係設定は、優先順位を低くしている可能性もある。

 党大会最終日の25日夜、記念の軍事パレードが金日成広場で行われ、4代目後継者として「内定」の見方が浮上した正恩氏の娘、ジュエ氏=本名未確認(13)=が正恩氏と共に雛壇(ひなだん)中央で観覧した。

 ジュエ氏後継説について、朝鮮労働党幹部出身のある高位脱北者は「2022年11月に公の場に登場した時にすでに後継は内定させたとみるべき。女性であろうが、まだ未成年であろうが、首領さま(正恩氏)が決めたことに絶対服従するのが北朝鮮という国だ」と述べた。

 人事では正恩氏の妹、与正氏が党総務部長に就任。父、金正日総書記時代からの側近だった崔龍海氏が主要ポストから外されたことなどが関心を集めているが、正恩氏の盤石な権力基盤に当分支障はなさそうだ。

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