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北朝鮮 金ジュエ氏後継説再び 韓国当局「内定段階」

1月1日、平壌の錦繍山太陽宮殿を訪れた北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記(最前列右)と娘のジュエ氏とされる女性(同中央)ら=朝鮮中央通信が2日に配信(EPA時事)
1月1日、平壌の錦繍山太陽宮殿を訪れた北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記(最前列右)と娘のジュエ氏とされる女性(同中央)ら=朝鮮中央通信が2日に配信(EPA時事)

 韓国の国家情報院が先週、北朝鮮の金正恩総書記の後継者になる可能性が取り沙汰されてきた娘ジュエ氏=本名未確認(13)=について「内定段階」との認識を示したことを機に、再びジュエ氏後継説が広がっている。ただ、いない方が不自然と言われる息子の存否が公にされていないなど、十分な情報がないのも事実。臆測が飛び交っている。(ソウル上田勇実)

 国情院は12日、国会情報委員会での非公開会議で、ジュエ氏について「先の建国節行事や錦繍山太陽宮殿参拝などで存在感がクローズアップされ続ける中、一部の政策に意見を言う状況も把握され、現在、後継内定段階に入ったと判断する」と報告したという。

 同院はこれまで「後継者としての“授業”を受けている段階」と述べるにとどまっていた。今回、それより一歩進んで「内定」という認識を示し、韓国をはじめ国際社会でそのニュースが駆け巡った。

 最近、北朝鮮メディアにおけるジュエ氏の露出は際立っている。昨年末、三池淵観光地区のホテル竣工(しゅんこう)式出席など正恩氏の地方視察に同行した際は、正恩氏とジュエ氏のスキンシップが話題になった。先月1日、平壌で行われた新年祝賀公演では、ジュエ氏が正恩氏の頬にキスする場面も報じられている。

 一方、錦繍山太陽宮殿への参拝(1日)では最前列中央の正恩氏のすぐ右隣、妻の李雪主氏より正恩氏に近い位置に立ち、存在感を誇示した。

 正恩氏は13歳の娘への愛情をこれ見よがしに表現したかと思えば、厳粛な行事の場でも自分のすぐ横に立たせた。とにかくジュエ氏の存在を国内外にアピールする北朝鮮特有の宣伝工作に違いないが、先月の段階では韓国政府も統一省関係者は「後継を念頭に置きながらも、家庭や社会主義大家族の姿を強調するものではないか」と慎重な見方を示していた。

 後継「内定」に対し、韓国の北朝鮮専門家の見方は割れている。

 学生時代に主体思想を初めて韓国に普及させ、現在は北朝鮮民主化運動に携わる金永煥氏は「後継者として内定していないなら、あれほど濃密に正恩氏が同伴することはないだろう。ただ、あくまで内定であり、これから思春期を迎えるジュエ氏がどのように変わり、父親との間で葛藤が生じないかは分からない。内定はいつでも撤回できるとみるべきだ」と述べた。

 元北朝鮮公使で2016年に脱北した太永浩氏は「どういう根拠で内定段階と結論付けたのか明確でないが、最近のジュエ氏の行動や儀典上の礼遇を見ると、内定の可能性はある」と指摘した。

 一方、北朝鮮情勢に詳しい南成旭・元高麗大学教授は「内定に反論する事実がないので、内定段階と報告したのではないか。情報収集が十分にできていない側面もある」と述べた。

 元韓国警察庁公安問題研究所研究官の柳東烈氏は「内定したとしても、実際に権力を継承するかは今後を見極める必要がある。仮に正恩氏が急逝して未成年の女の子が首領となった場合、果たして北朝鮮住民は従っていけるだろうか」と語った。

 国情院は国会での報告で、今月下旬に開催される見通しの朝鮮労働党第9回党大会にジュエ氏が参加するか否かを「集中的に注目する予定」と明らかにした。前回の党大会(21年)では党規約が改正され、「党第一書記」を新設し、「第一書記は総書記の代理人」になることが明記された。

 現在は空席になっているこのポストに果たしてジュエ氏が就任するのか。あるいは一部で予想されている正恩氏の主席就任と、それに伴うジュエ氏の後続人事があるのか。党大会はジュエ氏後継の行方を判断する上で、一つの焦点になりそうだ。

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