【ポイント解説】「実用外交」面目見せるか
韓国大統領の訪中は2019年12月の文在寅大統領(当時)以来約6年ぶり、国賓訪問としては9年ぶりだ。「従北親中」政策を取っていた文大統領だったが、全部で10回あった会食の機会で、中国首脳との会食は2回のみ。8回は“ぼっち飯”だったと韓国メディアから酷評された。李在明大統領はこの前轍(ぜんてつ)を踏まないよう慎重に日程を組んでいるという。
中国は日本への対決姿勢を高める中で、韓国を引き寄せるために、文大統領の時のような“欠礼”はしないだろうと見られている。魏聖洛国家安保室長は、当初の2泊3日の日程が3泊4日に増えたのも中国側の「配慮」だったとの見方を示す。中国が李在明大統領の訪問に気を使っている様子が窺(うかが)える。
だが、こうした中国側の“配慮”が実行されたとしても、特派員氏は「限韓令」が解除されるという見通しには否定的だ。中国が状況に応じて調整してくるからだ。
現在、日本に対して「限日令」とでもいうものを発動しているようにみえる。日本への観光を制限し、芸能人の中国公演を中止させる一方で、日本の野党政治家の一族が経営する流通・小売業のイオンは制限を受けてないし、中国庶民に人気のアニメもそのままだ。
中国は全てを封鎖したり、全てを開放するわけではない。THAADを撤去できなかった文在寅大統領は“さらし者”にした一方で、「謝謝」という李在明大統領は優遇するかもしれない。その匙(さじ)加減の基準は一貫して自国に有利になるかどうかだ。李大統領も国益重視の実用外交を説く。中国はありもしない「限韓令」を一部なりとも解くことで実利を得るなら、これ以上の実用外交はない。これを上回る実用外交を李大統領は展開できるのか注目だ。(岩崎 哲)






