トップ国際朝鮮半島歴史問題を外交の武器にするな 対馬は誰の土地なのか

歴史問題を外交の武器にするな 対馬は誰の土地なのか

広州国際モーターショーに出展した日系自動車メーカーのブース前に立つ警備員=21日、中国広東省広州市(時事)
広州国際モーターショーに出展した日系自動車メーカーのブース前に立つ警備員=21日、中国広東省広州市(時事)

 中国が突然「琉球」研究を持ち出して沖縄を取り上げ始めた。これは高市早苗首相が台湾有事の際、日本の集団的自衛権発動の可能性に言及したことから出てきたものだ。表面的には歴史研究だが、高市首相の発言を契機に中国がまたもや沖縄の歴史的地位を持ち出したということは、誰もが分かっている。

 中国はさらに独島(島根県竹島のこと)問題でも婉曲(えんきょく)に韓国の立場を支持するような姿勢を見せた。これまで尖閣諸島に対して中国の固有領土だと主張してきたが、独島問題では言葉を控えてきたのにだ。

 しかし沖縄問題になると話が違ってくる。沖縄は尖閣列島のように現在、紛争状態にある場所ではない。1879年日本が琉球王国を併合し、第2次世界大戦後、米軍政期を経て1972年、沖縄返還協定により日本に明確に帰属した地域だ。中国が突然、歴史論争を持ち出したことは結局、政治的メッセージに近いという意味だ。

 「東北工程」に代表される接境地域の古代史解釈論議などを考慮すれば、沖縄問題の提起は日本を圧迫しようとする外交的手段にすぎず、実質的な領有権問題に発展する可能性は小さい。外交的メッセージとはいえ、こうしたやり方は戦略的な深さが足りないように見える。

 そうした中、ふと韓国も中国のやり方と似た部分があるということに思い至った。「独島はわが領土」の歌詞問題がそうだ。この歌は1980年代に発表された後、数回改定され、現実の要素を反映させてきた。だが、ある部分だけは非現実的方向に流れた。「ハワイは米国の地、対馬は日本の地、独島はわれらの地」という4番の最後の歌詞が最新バージョンで「対馬は朝鮮の地」に変わったのだ。

 対馬が朝鮮の領土だったという主張は日本の一部古地図に表記された内容を根拠にしたものだと思われる。「日本が自ら対馬を朝鮮と表示した」という論理だ。

 しかし、同じ基準を適用すれば、「ハワイは米国の地」という表現は妥当か。ハワイは1893年まで独立王国だった。米国領になったのはその後のことだ。新羅の将軍、異斯夫(イサブ)が笑う(あまりにもばかげた)話ではなく、ハワイ王国を建てたカメハメハ1世が呆(あき)れるような主張だ。事実関係を歪曲(わいきょく)する歌詞は時代錯誤のみならず、外交的感受性にも合わない。

 東アジアのあちこちで歴史論争が繰り返される理由は結局、現在の戦略環境のためだ。米中競争が激化し、日本が安保政策を変えていく中で、中国は歴史問題をテコの一つとしようとしている。韓国は独島を巡る論戦の中で時には感情的な対応をしたりもする。しかし、歴史を外交の武器にすればするほど、現実の問題は複雑になり、北東アジアの外交空間がさらに狭くなるのだ。

(イ・ウジュン北京特派員、11月24日付)

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